最近、一部のスマートフォンなどで8K動画を撮影できるものが出ています。家庭用テレビがFHD、PCやMacでもよくて4Kディスプレイなのに8Kで撮ってどうするのか?と思いませんか。ある意味ではその疑問は当たっていますが、8K動画撮影にはもっと違うメリットがあります。
8K動画撮影対応スマートフォン
2024/11/05時点で8K動画撮影に対応している純中華製を除くスマートフォン現行機種(日本市場向けでメーカーWebサイトに記載があるもの)は以下の通りです。カッコ内は各解像度での最高フレームレートです。
– SAMSUNG Galaxy S24 Ultra(8K30p、4K120p、FHD240p)
– SAMSUNG Galaxy Z Fold6(8K30p、4K120p、FHD240p)
– SAMSUNG Galaxy Z Fold5(8K30p、4K60p、FHD240p)
– SHARP AQUOS R9 Pro(8K対応していると思われるが詳細は現時点で不明)
あらら、ネイティブで8K撮影に対応しているのはSAMSUNG Galaxy S24、Galaxy S24 Ultra、Galaxy Z Fold5、Galaxy Z Fold6だけなのですねぇ。
Google Pixel 9 Pro/Pro XLは8Kを謳っていますが、これは「動画ブースト」といいまして、4K撮影した動画ファイルをクラウドにアップロードして、クラウドでAIを駆使して8Kにアップスケールしてユーザーに返すというもので、擬似的な8Kです。いわば8Kもどき。
Pixel 9 Pro/Pro XLが採用しているSamsung ISOCELL GNKセンサーは、最高で8K30p、FHD240pをサポートしていますが、スマートフォン側でそれには対応していないようで、動画ブーストという擬似的な手段での8Kもどきです。
4K動画を一旦クラウドにUPLOADしてからDOWNLOADするので、データ通信を消費しますし、家庭のWifiを使ったとしても、多くの接続業者では下り容量無制限でも上りには何らかの制限がありますので要注意というところ。
8K動画撮影対応一眼カメラ
では一眼はどうでしょうか?カッコ内は2024/11/05時点での価格.comにおけるボディ単体最安価格です。
- CANON EOS R5(413,967円)
- CANON EOS R5C(514,800円)
- CANON EOS R5 Mark II(589.050円)
- NIKON Z8(499,263円)
- NIKON Z9(638,336円)
- SONY α7R V ILCE-7RM5(430,015円)
- SONYα1 ILCE-1 ボディ(780,000円)
- FUJIFILM X-H2(233,511円)
- FUJIFILM GFX100 II(1,129,199円)
X-H2以外はどれも立派なお値段です。
8K動画撮影対応ビデオカメラ
業務用を除く一般家庭用で調べましたが。ちょっとびっくりです。
- Insta360 Ace Pro 2(8K30p、4K120p、FHD240p)
これ、いいかも(笑)
8K動画は不要?
単純にスマートフォンで撮ってスマートフォンで見るだけとか、YouTubeやTikTokに上げるだけであれば全く必要ありません。それこそFHDで十分です。
家庭のテレビで見るにしても、4Kテレビはまだまだ普及していないと思います。多くの家庭の大型テレビはFHDではないでしょうか?
単純にスマホで撮影してスマホや家庭のテレビで見るだけなら不要です。
百歩譲ってPCやMacならば4Kモニターを使っている人も多いと思いますので、そういう鑑賞がメインになるのであればFHDでは物足りないですが、それでも4Kあれば十分だと言えます。
撮って出し(加工しないでそのまま)であれば、FHDでOKだしPCやMacの4Kモニターで見るのであって4Kあれば十分。
8K動画は編集してこそ役立つ
動画は撮りっぱなしではなく編集して一つのモノに仕上げますね、普通は…。
その時に解像度8Kで広めの範囲で撮っておくと編集で威力を発揮します。
アウトプットがFHDであれば、最終的には8KからFHDにダウンスケールエンコードするわけですが、編集中では4倍まで拡大しても映像劣化は防げます。
8K動画であれば撮影時にズームしていなくても4倍まで映像内の任意の場所をズームできるし、ズームした状態でパンしたりチルトしたりすることも可能です。
動画というのはフレーミングが固定のままずーっと続くと見ているほうは飽きてしまいます。テレビ番組や映画では頻繁に映像が切り替わりますね。
一つの固定フレームを続けることに意味がある(例えばタイムラプスとか)場合以外では、フレーミングやズームで映像を切り替えて映像に変化をつけることが求められます。
複数カメラ担当がいれば話は簡単ですが、アマチュアでは多くはワンオペです。
そんなときに、8Kスマートフォンである程度広い範囲で回しておき、他のスマートフォンや一眼カメラで主となる動画を自分が取るということが可能です。8Kで録画したサブ動画は編集の時にズームして切り出したり、パンしている映像を作ったりして、Bロール的あるいはサブ動画のように使うことができます。
まとめ
8K動画撮影可能なスマートフォンやカメラはハイエンドモデルを中心に少しずつ増えているが、凝った編集などしないのであれば、4K撮影までできれば十分である。
最終アウトプットがFHDであれば、編集段階で部分を4倍ズームしたり、ズームした状態でパンしたりすることができ1台のカメラで撮影した映像であっても変化をつけることができ、見る方を飽きさせにくくできる。
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