テレビのニュース番組は、こぞってGo To トラベルの東京除外の話題を取り上げています。感覚的に東京除外はやむを得ないと感じるかもしれませんが、本当に東京だけでよいのでしょうか?少しばかりデータから検証してみましょう。
都道府県別のデータ分析
都道府県別人口と累計感染者数
累計感染者数の多い順トップ10が<表1>です。
<表1>都道府県別累計感染者数トップ10
都道府県 | 人口(千人) | 累計感染者 |
東京 | 13,159 | 10,054 |
大阪 | 8,865 | 2,662 |
神奈川 | 9,048 | 2,105 |
埼玉 | 7,195 | 1,888 |
北海道 | 5,506 | 1,367 |
千葉 | 6,216 | 1,364 |
福岡 | 5,072 | 1,174 |
兵庫 | 5,588 | 883 |
愛知 | 7,411 | 781 |
京都 | 2,636 | 605 |
東京が人口もダントツですが感染者数もダントツ。
都道府県別単位人口あたりの累計感染者数
一般論としては人口が多い分感染者だって多くなるだろと思いますよね?
単位人口(ここでは十万人あたり)を計算して並べ替えます。
そうしてトップ10を抽出したのが以下の<表2>です。
<表2>都道府県別単位人口あたり累計感染者数トップ10
都道府県 | 人口(千人) | 人口十万人あたり 累計感染者数 |
東京 | 13,159 | 76.4040 |
大阪 | 8,865 | 30.0282 |
埼玉 | 7,195 | 26.2404 |
石川 | 1,170 | 26.1538 |
北海道 | 5,506 | 24.8275 |
神奈川 | 9,048 | 23.2648 |
福岡 | 5,072 | 23.1467 |
京都 | 2,636 | 22.9514 |
千葉 | 6,216 | 21.9434 |
富山 | 1,093 | 21.4090 |
東京がダントツ、続いて大阪、埼玉・石川あたりはほぼ同じレベル。
都道府県別単位人口あたりの7月22日の感染者数
では、瞬間風速ですがNHK集計による7月22日21:30時点の単位人口あたりの感染者数をみてみましょう。
それが<表3>です。
<表3>都道府県別7月22日の感染者数トップ10
都道府県 | 人口(千人) | 人口十万人あたり 7月22日21:30時点 |
東京 | 13,159 | 1.8086 |
大阪 | 8,865 | 1.3649 |
福岡 | 5,072 | 1.2027 |
愛知 | 7,411 | 0.8636 |
埼玉 | 7,195 | 0.8617 |
滋賀 | 1,411 | 0.7796 |
神奈川 | 9,048 | 0.7515 |
京都 | 2,636 | 0.7208 |
佐賀 | 850 | 0.7059 |
千葉 | 6,216 | 0.6435 |
ここでも東京のダントツはゆるぎません。
しかし大阪も単位人口あたりの累計感染者数同様に第2位をキープしています。
データからの感想
本来なら、7月1日からの県別感染者数や累積値を見るとよく分かるのでしょうが、ちょっと手間がかかりすぎてそこまでは手におえて負いません。
本記事に抽出したデータの範囲内でいうなら…
東京除外には妥当性が認められる。
しかし、大阪も除外対象とすべきであり、大阪を除外しないのは不自然さを感じる。
というのが筆者の感想です。(あくまで感想ですよ)
ニュースに出てくる数字だけに一喜一憂せず、自分でデータを集めて簡単に分析してみるのも、メディアに踊らされない方法です。
メディアはセンセーショナルで興味をひくであろうことだけを切り出して報道する(それ自身は嘘ではない)傾向が極めて強いので、そうしたデータの一部だけからくる印象で判断すると、まんまとメディアの罠にハマります。
できるだけ公的機関からの情報を集めて調べてみることをおすすめします。
都道府県別人口データは平成30年推計のものです。
出典 総務省統計局「日本の統計 2020」
感染者数データの出典はNHKの特設サイト「新型コロナウイルス」によります。
表の作成と集計は当サイトオーナー(筆者)が作成したものです。