外見だけでは区別不可能なUSB TYPE-Cケーブルを区別できる USB CABLE CHECKER 2

外見だけでは区別不可能なUSB TYPE-Cケーブルを区別できる USB CABLE CHECKER 2

USB TYPE-Cの混乱について記事にしましたが、それぞれの規格に対応したケーブルはどうやって区別すれば良いのでしょう?はっきり言って見た目ではまずわかりません。そこで強力なツール「USB CABLE CHECKER 2」を紹介しましょう。

USB CABLE CHECKER 2とは?

巷にあふれる正体不明?のケーブルがどういう接続のケーブルなのか、どういう規格のケーブルなのかを電気的に判別するツールです。

BitTradeOneという電子工作キットを製造販売している会社の製品で、USB CABLE CHECKER 2はキットではなく完成品として販売されています。

筆者宅にもいつのまにかUSB TYPE-Cケーブルが増殖し、こいつはどういうケーブルなんだ?というのがわからなくなってきましたので購入しました。

USB CABLE CHECKER 2はチョ~便利じゃん!どういうケーブルなのか一目で判別できるぞ!



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製品紹介

BitTradeOneという電子工作キット同様に化粧箱入ではなく袋に入って販売されています。

いかにも電子工作キット!って面構えですが、ご安心ください、完成品です。

裏はこちら。

ちょっとした説明があります。

裏にも書かれていますが、二組のUSBのジャックがあって、一組は「USB TYPE-CとUSB TYPE-A」もう一組は「USB TYPE-C、USB TYPE micro B(通称microUSB)、USB TYPE mini-B」となっており、ケーブルの両端をそれぞれの側に差し込んでスイッチを入れて判別するというもの。

上の説明でAと書かれている側が「USB TYPE-AとUSB TYPE-C」、Bと書かれている右側が「USB TYPE-C、USB TYPE micro B(通称microUSB)、USB TYPE mini-B」となっています。

電源は診たとおりのボタン電池のCR2032が一つ。

電源スイッチは写真上端にある小さなスライドスイッチだけです。

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使用例

NIMASO USB2.0 100W対応 TYPE-C PDケーブル

このケーブルの速度は0.48Gbpsとなっていますので、USB2.0の100W用PDケーブルとなります。

上記の写真で緑色に光っているのが、VBUS、D-、D+、GNDというUSB2.0の4本の信号線で、USB3.2用のTX1+とかSBUS1とかは結線されていないので光りません。TYPE-CですのでコントロールラインであるCCライン(Configuration Channel)は結線されていることがわかります。

100Wですから最高20V5Aを流せるはずなのでeMarkerというICチップをコネクタ内部に内蔵しているはずです。

OLED表示には”E-MARKED”ということでeMarkerが入っているちゃんとした100WのPDケーブル、信号線速度はUSB2.0の480Mbpsであることがわかります。この速度では外部ディスプレイの接続は不可能ですし、外付けディスクにつかうとかなーり遅くなります。

130mΩはUSBの電力供給ラインであるGND-VBUSの線の抵抗値です。100mΩ代であれば良好です。

NIMASO USB3.0 60W対応 TYPE-C PDケーブル

同じNIMASOですが仕様が違うケーブルです。

こちらはUSB2.0の4つの線とCCラインに加えて、RX2-・RX2+・TX2-・TX2+の2組4線が結線されていますので、シングルレーン結線のケーブルです。

シングルレーンでも先日の記事で書いたように、5GbpsのUSB 3.1 Gen1 (通称USB 3.0、規格名USB 3.2 Gen 1×1)か10GbpsのUSB 3.1 Gen 2(規格名USB 3.2 Gen 2×1)のいずれかに対応していますが、そのどちらに対応しているかまではUSB CABLE CHECKER 2では判別できません。

商品名にUSB3.0とありますからUSB3.2 Gen 1×1なのでしょう。

オーム電機 USBケーブル PD対応 TypeC

こちらも480MbpsのUSB2.0ケーブルであるのはUSB3.2の信号線であるTX1+とかSBU1などが点灯していないころからわかります。

OLED表示にはE-MARKEDとありますのでeMarker内蔵ですから3Aを超えた電流を流せるケーブルとなります。

VBUSとGNDの抵抗値も171mΩなので良好です。

コストパフォーマンスの良いケーブルですが、USB2.0の480Mbps対応なのをお忘れなく。

Anker PowerLine III USB-C & USB-C 2.0 ケーブル 60W PD対応

もう説明は不要かと思います。USB2.0のTYPE-Cケーブルです。

E-MARKED表示がないので、流せる電流上限は3Aなので20V3Aの60Wケーブルとなりますね。

エレコム USB TYPE-C USB3.1認証品 3A出力 最大10Gbps

Amazonの商品表記は3Aになっていますが、メーカーのページでは5Aになっています。

モバイルディスプレイ接続用に購入したものです。

デュアルレーン対応で4組8本とSBU1、SBU2などがフル結線されているものです。

E-MARKEDがありますので3Aを超えた電流を流せます。

抵抗値は178mΩと良好です。

安心して使える一品ですが、高速(10Gbps)対応で100WPDケーブルというのは安くありません。

その他のTYPE-A <–> TYPE-C

あとはモバイルバッテリーの付属ケーブル。

抵抗値は178mΩなので良好で、信号線はUSB2.0の4線フル結線なので充電と通信が可能です。

内部に56kΩのプルアップ抵抗(56kレジスタ抵抗)がルール通りに入っているため規定以上給電はされないタイプのケーブルです。

USB TYPE-Cは最高で20V5Aまで流せますので、この56kΩ抵抗がない(あるいは他の抵抗値)の粗悪ケーブルだとスペック以上の電流をTYPE-A側に要求するため最悪は機器の焼損、もっと最悪は火災につながる可能性もゼロではありません。

平たく言えば56kΩの抵抗を入れることで、規定以上の電流を電源供給側が流さないようにしています。ちなみにスペック上はTYPE-Aは1.5AまではOKなのですが通常のPCのUSB TYPE-Aは0.5A上限と思っていれば事故は置きません。

TYPE-A(電源供給側)からTYPE-C(デバイス側)への変換ケーブルは十分な注意が必要です。

TYPE-Cの機器に給電するのはTYPE-Cの電源から正しいPDケーブルを使うのが一番安心です。

お次は充電専用。

一つ前のケーブルと同類ですがD-とD+の接続がないので完璧に充電専用(それも昔の….)です。

小さくて見えないと思いますが、OLEDは56Kプルアップ抵抗が入っており0.5Aまでであることが表示されています。

これくらいの長さのケーブルを通信用と間違えることはないと思いますが、充電専用の1mとか1.5mのケーブルは間違えて持ち出して通信できない!なんてことになりますので、即刻捨ててしまいましょう。

まとめ

USBケーブルは実に多種多用で怪しいものもありますし、そうでなくてもTYPE-Cは外見では全く区別ができません。

ケーブルの間違った使い方を防ぐためにも、USB CABLE CHECKER 2は一つあってもいいと思います。



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