【新製品】最大25W・PPS対応の「Anker PowerCore 10000 PD Redux 25W」

【新製品】最大25W・PPS対応の「Anker PowerCore 10000 PD Redux 25W」

ありそうでなかったPPS(Programable Power Supply)に対応した25W出力のモバイルバッテリーがAnkerから発売されましたので早速入手しましたのでレポートします。安全に関わる重要な注意点も一つありますのでお見逃し無く。


PPSについて

ざっくりPPSって何?

PPSとはProgramable Power Supplyの略でUSB Power Delivery Revision3.0 Version1.1で追加されたUSB Power Delivery(PD)の拡張機能です。

通常のPDは予め決められた電圧(5V,9V,12V,15V,20V)の中から充電する側と充電される側が通信して何Vを供給するのが適切かを判断して決めるもので、一旦決めたら接続されて給電(充電)している限り電圧は変更されません。

それに対してPPSはその時に必要な電圧と電流を電源供給側に要求するもので、電圧は20mV、電流は50mAという細かいステップで調整可能となっています。

これにはどういうメリットがあるのでしょうか?

充電する際にはACアダプタまたはモバイルバッテリー側で電圧を降下させ(モバイルバッテリーの場合は昇圧になる)、それを受けたスマートフォンの側では内蔵リチウムイオン電池の充電進行状態に応じた電圧・電流が流れるようにします。

つまりACアダプタ(モバイルバッテリー)とスマートフォンの二箇所で変換するので無駄なエネルギーロスが生じ熱となります。つまり熱くあるいは暖かくなります。

PPSでは、スマートフォン(機器)側がバッテリーの充電状態で必要な電圧・電流をACアダプタに要求し、その供給を受けるというもので、スマートフォン側での電圧変換が不要となるためエネルギーロスが減るつまり充電時の発熱が減少する(ゼロにはならない)効果があります。

さらに電圧を固定しないというのは、すなわち充電開始時にスマートフォン側はその時のバッテリー残量で内蔵セルの最大の電圧・電流を充電器に要求し、充電器側は自分のスペックの範囲内でそれに応えるわけです。そしてバッテリーに流れる最大電流を超えないように電圧を少しずつ下げて調整するというインテリジェントな動作をします。

その時のバッテリーの状態で安全を保ったまま最も高速に充電できる電圧と電流に調整されるのがPPSだと思えば良いでしょう。

PPS対応スマートフォンの例

ACアダプタのほうはPPS対応が増えてきていますが、スマートフォンはまだまだ少ないです。

Samsungのスマートフォンでは「Super Fast Charging」という名前ですが中身はPPSのモデルがあります。

Galaxy S21/S21+/S21 Ultra/S20/S20+/S20 UltraなどはPPS対応で他にもあると思います(調べきれていません)。

Galaxy S21/S21+/S21 Ultra/S20/S20+/S20 Ultraなどは最大25WのPPS充電可能になっています。

PPS対応充電器の例

充電器はAnker Nano II 30WもしくはAnker Nano II 45Wが対応します。

PowerCore 10000 PD Redux 25Wの仕様

容量10000mAh
入力USB-C:5V/3A、9V/2A
出力USB-C PD:5V/3A、9V/2.78A
USB-C PPS:3.3-6V/3A、3.3-11V/2.78A(最大25W)
USB-A:5V/3A、9V/2A、12V/1.5A(最大18W)
USB-A Protocol 出力:4.5V/5A、5V/4.5A(最大22.5W)
25W (USB-Cポート単体での充電時)
15W (2ポート同時充電時)
大きさ107 × 52 × 27mm
重さ194g
付属品USB-C & USB-C ケーブル(着脱式USB-Aコネクタ付属 [使ってはいけません、後述])
ポーチ
ストラップ
取扱説明書

Bluetoothイヤホンやスマートウォッチの充電に適した低電流モードを搭載しており、ボタン2度押しでLEDが緑色に点灯すると低電流モードに入ったことを表します。

写真レビュー

いつものとおりAmazonで買ったので写真レビューから。

例によってでかいダンボール。

中はスカスカ。

毎度おなじみアンカーらしい、ひと目でそれとわかるシンプルさ。

箱から取り出した中身。

実際の中身。

本体にはストラップホールがあり付属のストラップを装着できます。

Galaxy S21 Ultra 5Gで超高速充電できた

付属のケーブルを使ってGalaxy S21 Ultra 5Gに充電するとちゃんと「超高速充電」になりました。

CheeroのQC3.0対応チャージャーでは普通の充電。



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警告:付属ケーブルには要注意!

付属ケーブルの片側にはTYPE-C(メス)→TYPE-A(オス)がついています。

TYPE-C(メス)→TYPE-A(オス)は明らかにUSB規格違反であり危険なものです。

このケーブルを使うなら、誤用しないようにアダプタを切り捨てて廃棄してください。

筆者はニッパで切り離しました。

切り離す時はケーブル本体を傷つけないように。

切り離した規格違反のアダプタは自治体のルールにしたがって廃棄してください。

純粋なTYPE-C – TYPE-CケーブルになったものをUSB CABLE CHECKER 2で確認。

USB 2.0のTYPE-CケーブルでeMarkerは内蔵されておりませんので、流せる最大電流は3A以内、つまり60Wケーブルということです。

VBUS+GNDの抵抗値は181mΩなので問題なし。

警告:ケーブルのTYPE-C → TYPE-A アダプタはUSB規格違反であり危険なので使うことがないように切り離して廃棄してください。

なぜ安心のAnkerがこんなものをつけたのか不思議でなりません。

推測ですがおそらくTYPE-A側をAnker PowerCore 10000 PD Redux 25Wにつけるつもりだったのでしょう。

しかし誤ってTYPE-C側を給電側、アダプタ(TYPE-A)側を受電側につかうと思わぬ事故になる可能性があります(USB規格で禁止されているタイプ)。誤用を避けるために絶対にアダプタは切り離しましょう。

あると便利なケーブル

使う機器にもよりますが以下のものがあればバッチリ。

・TYPE-C → TYPE-C (Android・iPad)
・TYPE-C → Lightning (iPhone)
・TYPE-A → microSD (Bluetoothイヤホン等)

まとめ

モバイルバッテリーとしては待望の25 PPS対応の10000mAhである。

コンパクトで10000mAhであるが200gを切っている。

Galaxy S21 Ultra 5Gに超高速充電できる(S20シリーズや他のS21も同じはず)。

付属ケーブルのC(メス)→A(オス)アダプタはUSB規格違反の危険なケーブルであり、アダプタは即切り離し廃棄すべし。



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