【お詫びと訂正 2022/07/05】
記事中の円高と円安が逆になっておりましたので訂正しました。ご指摘をいただいた読者様、大変ありがとうございます。
7月1日突然iPhoneなどのApple製品が大幅に値上げされたのが一斉に報じられていました。事前予告すると購入殺到するからでしょうが結果的に寝耳の水でした。しかし値上げされたのは商品価格だけではなく、iPhoneのバッテリー交換費用も上がっていました。
iPhoneバッテリー交換費用値上げ幅
バッテリー交換費用(Apple Genius Barまたは正規サービスプロバイダ)は以下のように価格改定されました(消費税込み)
日本のアップルの旧価格 | 日本のアップルの新価格 | 値上げ幅 | |
iPhone X, iPhone XS, iPhone XS Max, iPhone XR, iPhone 11 Pro Max, iPhone 11 Pro, iPhone 11, iPhone 12 Pro Max, iPhone 12 Pro, iPhone 12, iPhone 12 mini, iPhone 13 Pro Max, iPhone 13 Pro, iPhone 13, iPhone 13 mini | 8,140円 | 9,800円 | +1,660円 +20.4% |
iPhone SE (第 3世代)、iPhone SE (第2世代)、iPhone SE、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 6、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPhone 8、iPhone 8 Plus、およびその他すべての対象モデル | 5,940円 | 7,500円 | +1,560円 +26.3% |
iPhone SE(第3世代)を含むTouch IDの機種でおよそ26%の値上げ、Face ID採用機種で20%の値上げとなっています。
これが高いかどうかを米国の正規サービスプロバイダでの交換費用、Androidの正規窓口での交換費用と比べてみます。
アメリカ水準の価格になったバッテリー交換費用
以下の比較表での為替レートはUS$1.00=135.18円(2022/07/03 07:45時点のレート)で計算しています。
急速な円安により相対的にUS$換算した修理費用はFace IDモデルでUS$8.79も日本が安くなってしまいました。
同じことがiPhone本体にも言えるわけで、全てをUS$建で考えているAppleとしては円安による価格差は減収につながりますからUS価格と極端な差がないようにしたいわけです。経営的には当然の判断です。日本のメディアは日本円価格での値上げという結果だけをショッキングに取り上げますが、それは一側面に過ぎません。値上げが嫌なら日本製のAQUOSかXperiaでも使ってください。それだってパーツのほとんどは輸入なのですけど….。
日本のアップルの旧価格 | 日本のアップルの新価格 | アメリカのアップル | |
iPhone X, iPhone XS, iPhone XS Max, iPhone XR, iPhone 11 Pro Max, iPhone 11 Pro, iPhone 11, iPhone 12 Pro Max, iPhone 12 Pro, iPhone 12, iPhone 12 mini, iPhone 13 Pro Max, iPhone 13 Pro, iPhone 13, iPhone 13 mini | US$60.21(換算) 8,140円 | US$72.49(換算) 9,800円 | US$69 9,327円(換算) |
iPhone SE (第 3 世代)、iPhone SE (第 2 世代)、iPhone SE、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 6、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPhone 8、iPhone 8 Plus、およびその他すべての対象モデル | US$43.91 5,940円 | US$55.48(換算) 7,500円 | US$49 6,623円(換算) |
ドル換算でみると日本のアップルでのバッテリー交換費用はUS$10以上の値上げとなります。
極端に進んだ円安による価格差を是正するためとはいえ、今度は日本の価格のほうがずいぶん高くなりました。
仮に、日本の新価格がUS$ベースでアメリカと同じだとすると、換算レートはいくらくらいでしょうか?
9,800円 / US$69 = 142.03円/US$
7.500円 / US$49 = 153.06円/US$
Appleが今回の価格改定をどのように考えたかわかりませんが、日銀の現在の方針から考えると円高に触れる要素は現時点では皆無であり、今後も円安はますます進むことはほぼ間違いなく、そのレートは140円/US$くらいにはなるだろうとAppleが踏んでいると推測できます。
筆者も個人的には140円は突破して145円〜150円あたりに届くだろうと踏んでいます。
iPhoneのバッテリー交換はAndroidと比べて同程度かそれ以下
日本市場でのシェアでえばiPhoneがトップです。
日本のiPhoneシェアは44.1%、Androidと7%差の接戦 – MMD研究所調べ(2022/05/13 18:36)
https://news.mynavi.jp/article/20220513-2344809/
これによれば、
・iPhone 44.1%
・AQUOS 28.3%
・Xperia 21.1%
・Galaxy 13.5%
となっていますので、それぞれ可能な範囲で調べてみました。
比べてみるとiPhoneのバッテリー交換費用値上げ後の価格でもAndroid各社のそれと同程度か若干安いことがわります。
逆に今までが安すぎたとも言えます。l
AQUOS SIMフリーモデル
[公式] 電池交換修理(有償)についてhttps://k-tai.sharp.co.jp/support/info/info_battery_repai.html
送料および税込で10.648円〜11,528円
Xperia SIMフリーモデル
SIMフリーモデルが少ないこともあってかバッテリー交換費用は非公開のようでどこにも公式情報が見当たりません。
こういう情報をきちんと出すのもユーザーサポートの一つだと思うのですが、どうやらメーカーさんはSIMフリー対応には無関心のようです。
Galaxy キャリアモデル(日本ではSIMフリーがないので)
Galaxyは対面では「Galaxy Harajuku」という公式ショップでの即日修理が可能です。もちろん従来通り宅配便で送って修理もOKです。
「Galaxy Harajuku」はキャリア窓口ではありませんが、キャリア販売の機種を普通に受け付けてくれ事前予約が必要ですが最速60分程度で完了するようです。
修理依頼の際には「購入証明(商品名が書かれた納品書や領収書など)」が必要なので購入証明のない中古は受付対象外の可能性がありますのでご注意ください。
正確な金額はWebにはありませんが、Webで調べると10,000円〜11,000円程度のようです。
スマホで一番危険なパーツはバッテリー!必ず正規窓口での交換を!
あまり意識されないかもしれませんが、スマートフォンを構成するパーツの中で最も危険なパーツがリチウムイオン系のバッテリーです。
[公式] 製品評価技術基盤機構(Nite)
このデータベースをキーワード「スマートフォン」を品名に入れてで検索すると1996年度から今までで95件ありました。NITEに報告が入ったものだけですので実際にはもっと多いと推測できます。
どんな場合でもリスクがあるのがリチウムイオン電池ですが、メーカーが認めていない(=安全性が検証されていない)手順や格安バッテリーを使ってバッテリー交換を安くあげている業者で交換するのがどれほどリスクをはらんでいるかは認識すべきです。
事故にならなくても、他の箇所の修理が必要になりメーカーに持ち込んだら正規のバッテリー交換がなされていないということで修理拒否されるか、修理結果の動作が保証できないことから本体全交換(全額自己負担)になる可能性もあります。
一番危険なパーツを、「リスクを大きくしない方法で安全に交換する」のは保険みたいなものです。
事故が起きてからでは遅いです。煙程度ならマシですが大火傷を負ったり、自宅や他人の家が全焼したら修理費用どころではありません。
何があっても、誰が何と言おうがスマホのバッテリーは必ずメーカー指定の正規の方法で交換してもらってください。