2020年3月29日から羽田発着枠拡張により北米路線は羽田シフトへ

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すでに報道されていますが、2020年3月29日から羽田空港の昼間国際線発着枠が1日あたり50便の増便となります。これにともないJALやANAでも大幅に国際線の成田と羽田のバランスを大きく見直しています。

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羽田空港発着枠増便とは

2019年夏ダイヤでは、昼間の国際線発着は1日80便となっています。それが2020年3月29日から使用可能な空域が広がるため増便が可能となり、昼間国際線は1日あたり50便の増便、すなわち80便が130便と大幅な増便となります。

この増便50便のうち、25便をJALとANAに割り当て、残り25便が外国の航空会社に割り当てとなっています。まずはこれらの内訳を調べてみましょう。報道各紙にもありましたが、ここは国土交通省の公開資料より引用させていただきます。

国名配分数(1日あたり)
本邦企業相手国企業
米国12便分12便分

中国※1

4便分

4便分

※2ロシア

2便分

2便分

豪州

2便分

2便分

インド※3

1便分1便分

イタリア

1便分1便分

トルコ

1便分1便分

フィンランド

1便分1便分

スカンジナビア※4

1便分1便分
合計25便分25便分

※1 中国とは、羽田発着枠配分のほか、成田・北京・上海に係る輸送力制限を 大幅に緩和することを確認。
※2 下線は今般の増枠による羽田空港 昼間時間帯 新規就航国。
※3 インドは、これに加え深夜早朝枠1便分ずつを両国企業にそれぞれ配分。
※4 デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの3ヶ国で1便分を配分。

上記表および注釈は、国土交通省ホームページより引用させいていただきました。

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JALとANAへの増便配分数内訳

上記の表で「本邦企業」とされているのがJAL(日本航空)と全日本空輸(ANA)です。その内訳についても国土交通省のデータより引用させていただきます。

国名配分数(1日あたり)

全日本空輸

日本航空

米国6便分6便分

中国

2便分

2便分

ロシア

1便分

1便分

豪州

1便分

1便分

インド

0.5便分※10.5便分※1

イタリア

1便分

トルコ

1便分

フィンランド

1便分

スカンジナビア

1便分
合計13.5便分11.5便分

 

※1 深夜早朝枠と組み合わせて1便を運航。

上記表および注釈は、国土交通省ホームページより引用させいていただきました。

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ANAはどう動くか?(米国線)

上記の公開データと各社の公表データを付き合わせてみました。

ANAは2019年11月19日のニュースリリースに開示されていますが便数が明確なのは米国とデリー(インド)だけですので、影響が大きい米国について増減のある空港のみ記載します。記載がないニューヨークなどは変更なしのようです。


国名

 

目的地

便の増減
(1日あたり)

羽田

成田

米国サンノゼ0→1運休
サンフランシスコ開設予定1 (変わらず)
シアトル0→1運休
ヒューストン0→1運休
ワシントン0→1運休
ロサンゼルス1→22→1便

 

他社運行のコードシェアは含んでいません

これで1日あたり羽田での対米国増便6便の計算があいます。これはなかなか面白いことになりました。北米のかなりの部分が羽田発着となり、ANAについては利用者が多い米国路線のうちサンノゼ・シアトル・ヒューストン・ワシントンは成田から利便性の高い羽田へのシフトが鮮明になりました。

私がファーストクラスで往復を狙っているワシントンも私が行く頃には羽田発着となっているわけで、あこがれのZカウンターを使えなくなりました。

あーあ、であります、個人的には。

https://aichanworld.com/wd/2019/04/13/いつかは「z」、あこがれの「z」/

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JALはどう動くか?(米国線)

JALのほうはANAのように綺麗にでていないし、成田発着便の減便は廃止についてANAのように一覧で明示されていませんのでANA同様に見えるようにまとめてみました。同様に米国だけを取り上げます。表に記載がないものは変更なしです。


国名

 

目的地

便の増減
(1日あたり)

羽田

成田

米国
 

ホノルル0→24 →2
サンフランシスコ1 (変わらず)0→1
シカゴ0→11→0
(2021/2/15再開)
ダラス0→11→0
ニューヨーク1→21→0
ロサンゼルス0→11 (変わらず)

他社運行のコードシェアは含んでいません

羽田は合計6便増便なので割り当てと計算があいます(当たり前)。成田-サンフランシスコを新規開設する以外はホノルル・シカゴ・ダラス・ニューヨークへの成田発着便が減便もしくは運休となり羽田シフトとなります。

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成田空港の将来

第1ターミナルは1978年の開港以来使用されています。その後中央・北ウィングが大改修されて1993年に使用開始、2006年に南ウィングが新装開業しています。第2ターミナルは1992年に共用開始され、2007年に大規模改修されています。改修されてはいますが、実際行ってみると古さは否めません。

何より問題なのはアクセスの脆弱さ。ちょっとした大雨や台風でも特にJR成田線はすぐにとまってしまいますし京成も似たようなものであり、さらに道路だって…です。何かあるとすぐに陸の孤島になるのが成田空港。

特に今年の台風ではそれが顕著になりました。房総半島内陸部にありアクセスは限られていますし都心まで時間がかかります。この脆弱さをなんとかしないとね、と思いますが。

JALの赤坂社長「羽田は内際のハブ、成田は際際のハブに」と述べておられるように、成田はアジア-北米のハブにしていきたい」とのことですが、一方で北米線は羽田シフトという矛盾があるように思います。

成田のほうが羽田より便利なんて人はごく限られた地域の人だけで、成田か羽田を選べといわれたら首都圏在住の多くの人は羽田を選ぶでしょう。特に東京より西側、たとえば神奈川からだと圧倒的に羽田が近いですし、東京の東でも全ての交通網は東京中心部に向いて作られているので半端な場所にある成田は超絶不便です。国内各空港からも成田便だと羽田から移動しないといけませんから、無駄な交通費と時間がかかります。多分多くの人にとっては成田より羽田でしょう。

また成田空港は羽田に対抗してなのか午前零時までの運用時間延長になるそうです。出発便はそれより前に乗客は到着していないといけないし乗り継ぎ客はあまり問題ないですが、午前零時ぎりぎりに到着するような便があり、乗り継ぎでホテル滞在でもない人にとっては都心へのアクセスはほぼタクシーしかありません。成田から新宿まで深夜料金(22時〜5時)で移動すると3万円という馬鹿高い金額になります。こうした問題は日本だけではありませんが、いかんせん房総半島のほぼ中央近くにある不便な内陸空港なのでこのあたりの利便性も考慮されるべきですね。

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まとめ

2020年3月29日からJALとANAともに、現在米国各都市への成田発着便の何割かは羽田に移管され(ANAはサンノゼ・シアトル・ヒューストン・ワシントン各路線の全便、JALはシカゴ・ダラス・ニューヨーク各路線の全便)、北米路線の羽田シフトが明確になった。

成田空港より羽田空港のほうが便利という人は首都圏はもとより各地空港から乗り継ぎで来る人にとっても便利なはずなので、羽田シフトは「基本的には」歓迎されるであろう。

 

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