2019年1~4月にSFC修業をしてプラチナ会員資格を満たしましたので、2020年3月末まではプラチナ事前サービス、2020年4月~2021年3月まではプラチナ会員本サービスとなります。そんな折、ANAから「ダイヤモンドステイタス」の紹介メールが来ました。
ANAから来たメール
タイトルが
「●●●● 様 <ご搭乗が多いお客様へ>「ダイヤモンドステイタス」のご紹介」
です。
●●●●は私の実名ですね。
タイトルの最初に実名を入れることで、無差別攻撃的な迷惑メールじゃないから読んでねということです。
メール先頭に読んで欲しい人の名前を入れるのは効果的で、これは仕事メールでも使える技です。特に、メールに埋もれがちな管理職は、メール一覧を目でスキャンして読むメールの優先順位を決めたりします(経験上ですが)ので、その目につくタイトル先頭に自分の名前があると開いちゃいます。
逆に言えば、相手の名前とメールアドレスがわかれば、相当有効性の高い悪意あるメールも開かせることができます。
閑話休題。
そんなわけで、一応差出人を確認してから開きました。
JALのメールサービスはテキストでコンテンツが書かれていますが、ANAの場合は肝心のコンテンツはパーソナライズされたサイトに誘導するようになっており、そのクソ長いURLをクリックすることでコンテンツを見ることができると同時に、ANAには●●●●さんがメールを開いた(読んだかどうかは別)ことがわかるわけです。一般的には読んだかどうかもそのサイトあるいはページの滞在時間で概ね推測が可能です。
Webサイトって一般の利用者が想像するよりはるかに細かな挙動を分析することが可能なのです。ビジネスサイトではそういう挙動を利用してより効果的なサイトを作ろうとしているのです。
さて、件のメールから誘導されたサイトの先頭。
選ばれたお客様にお届けする、プレミアムメンバーサービス。
その中から「ダイヤモンドステイタス」についてご紹介いたします。
強調しているのは以下の三点。
最大130%のボーナスマイル。
ANA SUITE LOUNGE。
ダイヤモンドメンバー限定特典。
ダイヤモンドとプラチナの差
どちらも有効なのは取得翌年度末までです(2020年に条件達成すれば、その年度内は事前サービスで、2021年度末までが本サービス期間)。
ただし、以下の記事でも紹介しているとおり、プラチナ会員とほぼ同じ水準のサービスをANAのクレジットカード(スーパーフライヤーズカード)を持ち続けている限り享受できますが、ダイヤモンド会員待遇はダイヤモンド会員でしか得られないので、再修行しない限りは取得翌年度末で終了します。
以下に、ダイヤモンド会員だけに得られる(プラチナ会員にはない)特典を列記します。
ダイヤモンド | プラチナ | |
専用デスク | ダイヤモンド会員用 | プラチナ会員用 |
チェックイン | SUITE CHECK-IN ファーストクラスカウンター | PREMIUM CHECKIN |
ラウンジ | ANA SUITE LOUNGE ANA LOUNGE | ANA LOUNGE |
優先搭乗 | Group1 | Group2 |
荷物受け取り | 優先(FIRST PRIORITY) | 優先(PRIORITY) |
座席予約 | 全席予約可能 | ブロックされている座席あり |
臨席ブロック (ダイヤモンドブロック) | 巷の噂ではあるっぽい (どこにも明記がない) | × |
コンシェルジュサービス | ● | × |
アップグレード | ● 搭乗当日、2倍の必要ポイント数で対象クラス拡大 | ● |
国内線特典航空券の空席待ち | ● | × |
国際線手数料の免除 | ● | × |
フライトボーナスマイル | 90-105% | 115-130% |
マイル有効期限延長 | ● | × |
ネームタグ | ● | × |
15万PP限定タグ | ● | × |
選択式特典 | ● | × |
ダイヤモンドのメリット
ダイヤモンドのメリットは上記表の通りですが、その中でも差を感じるのは表の青太文字・黄色くハイライトした部分でしょうか。
実際に差を感じるのは以下の点だと思います。
- チェックイン
- ラウンジ
- 優先搭乗
- 荷物の優先受け取り
- 座席予約
ラウンジの差は大きいですが、国内線でそれを感じることができる空港はごくごく限られておりあとはプラチナと同じです。海外だと結構差は出てくると思います。
チェックインも差は大きいのですが、これまたごく限られた空港のみしかメリット享受できません。
本当に格差を肌で感じるのは、身近な国内線ではチェックインとラウンジだと思います。国際線だとも少し差が出るのでさらに肌で感じる機会が多くなるとは思いますが….。
チェックイン
ANA SUITE CHECK-INまたはファーストクラスチェックインが使えます。
といっても、国内線では羽田空港しかありません。
施設を作って維持するのに費用が結構かかるでしょうから利用者が多くないとねぇ。
なので羽田オンリー。
あとは成田にはいわゆるZカウンターがあります。
ANA SUITE LOUNGEは、ダイヤモンド会員と同行一名または利用券(現在は転売禁止)があれば利用できますが、SUITE CHECK-INのほうは遥かにハードルが高くてANA運航便(他社運行のコードシェアANA便名搭乗はだめ)のファーストクラス利用者、同じくANA運航便搭乗のダイヤモンド会員に限られます。
ただし、そういう思いをできるのは前述のように羽田か成田のみ。
ラウンジ
ANA LOUNGEはいろいろな空港にありますが、ANA SUITE LOUNGEは国内線は羽田空港、新千歳空港、伊丹空港、福岡空港、那覇空港のみで他の空港にはありません。国際線は羽田空港、成田空港、ホノルル空港のみです。
ANAはJALと違ってプラチナとダイヤモンドはともにスターアライアンス最上級のゴールド会員でもあります。
上の写真は私のSFCとステータスカードですが、SFCは右上にステータスカードは写真外(下側)にスターアライアンスゴールドのマークが入っています。
スターアライアンスはゴールドとシルバーの二段階だから提携航空会社の上級ラウンジが使えるんじゃ?
いいえ、世の中そんなに甘くありません。
例えばシンガポール・チャンギ国際空港のシンガポール航空のラウンジには、シルバークリス・ラウンジとクリスフライヤー・ゴールドラウンジがあります。クラスとしてはシルバークリスが上級になります。シルバーとゴールドで逆のように思いますので要注意。
シルバークリス・ラウンジ(FIRSTクラス用)
ファーストクラス利用者
ANA ダイヤモンド会員(全クラス)
シルバークリス・ラウンジ(BUSINESSクラス用)
ファーストクラス利用者
ビジネスクラス利用者
ANA ダイヤモンド会員(全クラス)
クリスフライヤー・ゴールドラウンジ
ファーストクラス利用者
ビジネスクラス利用者
ANA ダイヤモンド会員(全クラス)
ANA プラチナ会員(全クラス)
ANA SFC会員(全クラス)
スターアライアンスゴールド会員(全クラス)
このように、シンガポール・チャンギ国際空港のシンガポール航空ラウンジでは、スターアライアンスゴールドマークが入っているANAプラチナステータスカードを持っていても、上級ラウンジのシルバークリス・ラウンジは使えなくて、普通のクリスフライヤー・ゴールドラウンジのみとなります。
優先搭乗
ANAに乗るとわかりますが、国内線だとダイヤモンド会員のみがGroup1搭乗となります。
プラチナ会員、SFC会員、プレミアムクラス利用者はその次のGroup2搭乗です。
JALと違ってGroup1にあたる人数(ファーストクラス利用、ダイヤモンド・JGP)のほうがGroup2よりはるかに多いなんて妙なことはありません。
荷物の優先受け取り
ダイヤモンド会員の荷物はプラチナ会員より先に出てきますが、どちらも一般乗客の荷持よりはるかに早く出てきますので、実用上あまり差はないと思います。
あるとしたら荷物を待つ他の客に対する優越感だけです。
座席予約
一般会員のときには「X」で予約できなかった前方席が、プラチナ会員になると予約できる前方席が増えます(実際私も経験しています)。特に国内線プレミアムクラスのすぐ後ろの席は、一般にはブロックされていることがほとんどのようです。
しかし、普通席最前列窓際席はやはりブロックされていたりしますが、これはダイヤモンド会員のためにブロックされているわけですな。
まとめ:ダイヤモンドは修業して取る価値があるのか?
これは事前サービスを考えると2年に一度100万円以上(諸経費を入れると多分百数十万近いのでは)かけて、ステータスを取得・維持する価値があるかどうかです。
私の意見:
ダイヤモンド会員は修業までして取得する価値はない
投じる費用と時間に比べて得られるメリットはごくわずかしかありません。
大抵の場合はSFC(プラチナ)で十分です。SFC(プラチナ)だけでも一般会員と比べると雲泥の差です。
ダイヤモンド会員の真価が発揮されるのは海外旅行ですが、四六時中海外に趣味で行くような人は自動的にPPが貯まるかもしれませんし、その結果としてステータスメリットが享受できるのはいいですね。
しかし、年に1度か2度、良くて四半期に1度海外に行く程度では2年で百数十万円の投資を回収できないと思っています。投じた時間をもっと他のことに活かせるはずです。
私の意見:
ダイヤモンド会員は、仕事で忙しく飛び回り結果としてANAのPPが毎年鬼のように貯まるハードワーカーへの慰労のご褒美
ANAから紹介メールが届いたので、あらためてダイヤモンド会員のメリットを考えてみました。
ダイヤモンド修業をどうしようか迷っているがどうしよう….と尋ねられたら「おやめなさい」と言うでしょう、多分。
第一、損得考えずに修業一筋の修行僧にそんな凡庸な迷いはありませんから。
ただし、出版社などから費用を出すから修業記事を書いてくれ!なんてラッキーなことがあれば別ですよ。
そんな奇特な出版社さんがおられましたらぜひ当「旅路の部屋」にご相談下さいませ。
最低限航空運賃と諸経費(旅費・滞在費)を持っていただければお引き受けします。
まあ、冗談はこれくらいにして….. でも万が一、真面目に考えている出版社さんがおられたら、こちらからどうぞ。
私に言わせるとSFC(プラチナ)会員のメリットだけでも十分一般会員とは格差がありますので、それで十分だと思います。
維持にはカード会費のみでOKですし。
仕事で酷使され自動的にダイヤモンドが取れた方、どうかお体を大事にしてください、SUITE LOUNGEで少しでも疲れを癒やしてください。
昔の上司が飛び回っていてJALのサファイアを自動的に取れたそうですが、さすがにダイヤモンドはもとよりJGPも無理だったそうです。
今回はこのあたりで幕引きです。