早急に脱東京集中を!

3.11以来、東京一極集中が非常に問題になっていますが、政府も企業も一向に脱一極集中に動く気配がありません。

南海トラフ地震や首都直下地震での被害想定

2018年6月発行の『「国難」をもたらす巨大災害対策についての技術検討報告書』(土木学会)によれば、南海トラフ地震・津波では20年間にわたり累計1,240兆円の経済被害が、首都直下地震では731兆円の経済被害が想定されています。2018年度の国家予算が97兆円ですから、いかに大きい額かがよくわかります。

大災害が起これば被害は避けられませんが、いかにその被害を小さくするのかがポイントとなります。

リスク対応の定石

災害とは限らず、リスク対応には三つのとりうるオプションがあります。

  1. リスクを受容する
  2. リスクの原因を排除しリスクそのものを無くする
  3. リスクを最小化する

こと地震や台風においては1のリスクを受容するというのは、何もしないで起こったらそれを受け入れるということで、ちょっとありえないし、あってはいけないものです。

2の原因排除というのは、情報セキュリティにおいては不可能ではありませんが、自然災害においては人間は自然をコントロールできない以上絶対不可能です。おそらく未来永劫不可能です。

残る選択肢は3の最小化しかありません。

リスクを最小化する

早い話が起こりうる事態を想定して、事前になんらかの対策をし発生する被害を減らすことです。

わかりやすい例でいうと、企業で使うPCは全てVDI(仮想デスクトップ)とし、実態は全てセンターのサーバーに置き社員の個人PCにはいかなるデータも入らない、単に画面とキーボードがあるだけという状態にすることです。こうすることで外出時にPCを紛失・盗まれたりしても、サーバーでアカウントを閉じるとかするだけでデータが流出することはありません。すなわち減災です。一方で、全てのデータをセンター管理することで、センターがアタックされたり災害にあうと全損する可能性が高くなり、リスクが上がります。あちらを立てればこちらが立たずというのがリスク管理の実態であり、リスク最小化策で発生する新たなリスクへの対応を考えないといけません。

東京一極集中のリスク

現在の東京(横浜も含む)への集中がどれほど高リスクなのか、ミュンヘン再保険会社が算定した大都市の災害危険度指数を見てみましょう。

これをみると、

  • ニューヨーク:42
  • サンフランシスコ:167
  • ロスアンジェルス:100
  • 大阪/神戸/京都:92
  • 東京/横浜:710

どうですか?笑っちゃうほど高いですね。世界のどの都市よりも高いです。上記のリンクを開いてPDFを見るとわかりますが、もう世界最高水準であり、国の存亡の危機ということです。それだけではなく、東京・横浜が壊滅的な被害を受けると世界経済にものっぴきならぬ影響を与えます。なんせGDP3位がいきなり脱落するのですから。

個人の減災対策

ここで、ちょっと個人レベルでのリスク低減を考えましょう。個人で打てる対策には限りがありますが、逆にいえばちりつもでして、個人が積極的に対策を打たない限り国や自治体では限界もあるのです。

  1. 東京近郊(首都圏)から地方都市に移り住む。
    これは地方再生にもつながりますね。
    ITが進化した現在では東京にすまないとできない仕事ってそうそう多くはないのでは?
    東京の木密地域から地方の広いおうちに引っ越すとのびのびしますよ、多分。
  2. 自宅の減災化を進める。
    すなわち耐震強化だったり、難燃化だったり、ブロック塀をやめて単なるフェンスにする、洪水・高潮がこない高台への引っ越し。特に耐震強化は必須です。
  3. 戸建ならソーラー化
    もちろん住宅を耐震化して地震を前提としたソーラーにします。蓄電設備があるともっとよいです。
  4. EV/PHV/FCVを家庭用蓄電池に
    意外に考える人が少ないのですが、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド(PHV)、燃料電池車(FCV)は大容量の家庭用バッテリーになります。これだけの容量のバッテリーを買うより、同じ容量の車を買うほうが安いという面白い現象がありますが、非常用バッテリーに車がついていると思えばよろしい。

もう少し手軽なところでは、

  1. 感震ブレーカーと感震ライトをつける
    どういうことかというと、ある程度以上の地震が来ると自動的にブレーカーを落とすようにする工夫です。後付けで装着できます。ただし、感震ブレーカーだけだと夜中だといきなり家中が真っ暗になりますので、地震と同時に明かりがつく感震ライトも随所に必要であることを忘れてはいけません。
  2. 家具の転倒防止
    天井つっぱり棒はほとんど無意味です。釣り天井でないしっかりした天井(コンクリートとか)ならば、空の段ボール箱を天井ぴったりに押し込むのです。単純ですが非常に効果があります。あとはタンスとか一切やめて、全て壁面収納にする。
  3. ガラスの飛散防止
    これはもう室内側に飛散防止フィルムを貼ることしか手がありません。
  4. 感震ライト先にも書いた地震が来ると自動的に点灯するライトです。枕元に懐中電灯をおいても地震で転がって何処かに行ったりします。何よりいきなり真っ暗になるのを避けることができるので、心理的な安心感が全く違います。最近はLEDシーリングライトにバッテリーが搭載されていて停電になる(あるいは感震ブレーカーが落ちる)と自動的にバッテリーで常夜灯が点灯するというものがあります。とにかく真っ暗になるのは避けなければいけません。枕元の懐中電灯なんか転がってどこかに行っちゃいます。
  5. ラジオ
    スマホは所詮スマホ、基地局がやられたらアウト。バッテリーがすぐなくなるのは過去の震災でおわかりのとおり。できれば単一アルカリとかで100時間とか200時間は最低でも持つ奴がいいですね。それとは別にイヤホンで聞く省電力型のポケットラジオ 。3.11のときは通勤カバンのラジオが大いに役に立ちました。
  6. バッテリー
    モバイルバッテリーも良いですが、たいして持ちません。できれば600Whクラスのポータブル電源(発電機ではありません)が良いですね。キャンプとかで使うやつ。価格的には100Whにつき1万円ちょいの換算なので安くはないですが、役に立つはず。これにソーラー充電器なんてのもありますが、サウジアラビアの砂漠とかでない限り、600Whのバッテリーをチンケなソーラーでは充電不可です。
  7. 飲み水
    よく1人1日3リッターを3日分なんていいますが3日では絶対足りません。最低一週間、できれば二週間分は必要だと思います。4人家族なら3リッターx4名x14日=168リッター。2リッターボトル6本入りが14箱です。3人家族なら10箱と少々。たかだか3箱くらい用意して安心していてはいけません。もちろんこれらはローリングストックです。
    特にマンションなどだとマンションところまでの水道局の給水は復旧しても、受水設備がやられている可能性があり、そうなるとマンション住民の手で、あるいは自治会でなんとか修復するしかなく、そうなると3日やそこいらでは復旧不可能。タワーマンションだと自宅がなんともなくても、ライフラインがアウトになるので、避難生活を余儀なくされる可能性もあります。
    小規模分譲マンションで管理が「?」なところは災害時の自主対応がほとんどできません。自分で自治会を立ち上げるか、もっとちゃんとしたマンションに引っ越すかです。
  8. 食品
    乾パンなんてそうそう毎日毎日食えません。炊き込みご飯のアルファ米(これ意外に美味しい)、プルオープンのさば水煮などの各種缶詰、温めなくても食べられるレトルトカレー(これも冷たいままで食べても驚くほど美味しい)。戦闘糧食なんてのもあります。これは私も買ったことがあり、味は流石にイケますね、美味しい。ただ体をガンガン動かす隊員用なので結構カロリーが高く塩辛い。家でじっとしている人がこればかり食べるとオーバーカロリー、塩分過多になりますので要注意。たまに食べるくらいならいいですが。
  9. トイレ
    戸建住宅で広い庭があれば穴掘ってすりゃいいってのもあるかもしれませんが、基本はトイレ。洋式便器にセットする非常用のトイレセットがあります。これを50セットとか100セット、トイレの物入れに常時保管しておきます。
  10. ペット用品
    餌、ペットシート、猫砂はケース単位で買い置きし、常に未開封ケースがあるように買っておきます。ペットシートや猫砂はいざとなれば人間の排泄処理にも使えます。また、犬缶はだめですが、魚の猫缶(一般食つまりおやつ)は意外に美味しいですよ。新しい缶をあけて猫にあげる前に試食してみたことありますが、マジでちょっと醤油をたらせば立派におかずになります。塩分もほとんどないので災害時の減塩にも良いです。まぐろの猫缶ならツナサラダができます、真面目な話。

  11. いつも飲んでいる薬は大切ですね、あとメガネ。老眼なら座っても壊れないハズキルーペとかでも代用できます。とにかく見えないと話にならないので予備を用意しておきましょう。
  12. 非常持ち出し
    非常持ち出し袋とかいかにもそれっぽいのはやめたほうが良い。奪ってくださいと言っているのと同じ。強力撥水・防刃のリュックが身を助けます。海外旅行を安全に楽しむ工夫と同じ。
  13. その他
    食器代わりの紙皿・紙コップ多数、ラップ多数(紙皿をラップで巻くことで捨てずに何度も使える)、水を入れるポリ容器と小型台車。

あげればキリがないのでこれくらいにしておきますが、ヒントくらいにはなるでしょう。それぞれの状況に応じて工夫してみましょう。

東京一極集中解消

話を戻しましょう。今の便利な東京ですが、いざ災害(高潮・一級河川の堤防決壊、大津波)がおこると、地下鉄は全部水浸しになり完全復旧には何ヶ月もかかるでしょう。共同溝に敷設された通信ラインや電線も共同溝への浸水によりやられてしまい、当面復旧は期待できません。

すなわち何ヶ月にもわたり首都機能のほぼ完全な停止です。日本は政治経済の中心が東京一極集中なので、その機能が長期に停止するのは国の機能停止を意味します。そうなると安全保障上も大きな問題が出てきます。自衛隊は機能していてもその指揮機能をもつ政府が崩壊寸前となりかねません。ただでさえ、手ぐすねひいている国がそばにあるのに、です。まあ、首相の安全確保は何より重視されているのでめったなことにはならないとは思いますがねぇ。

今時のIT技術をもってすれば政府の主要機関は地方分散すべきです。そのほうが地方再生にもつながる。東京に集中しなくなれば、企業の本社だってもっとコストの安いところに行けば良いのです。まあ、都知事は猛烈に反発すると思いますが、所詮東京だって日本の一地方都市になっても良いのですよ。一度は下野すべき(笑)です。

日本殺すにゃ刃物はいらぬ、東京を水没させればそれで良い、では大変困ります。ただし、第二首都とかにしても大阪とか名古屋といった太平洋岸では南海トラフ地震を考えるとアウトです。ここは是非日本海側にすべきです。なんなら沖縄とかでも良いかもしれません。そのほうが第二首都防衛機能がひどく充実するのではないでしょうか。とにかく近くの大国は沖縄を狙っているのですから。

機能分散にはお金と時間がかかります。だからといって手をこまねいていてはリスクはなんら低減しません。時がたつほど南海トラフ地震や首都圏直下地震・大阪直下地震に遭遇する可能性が増えてきます。もう一刻も猶予はない。呑気にオリンピックなんかやっている場合じゃないのです。2020年を待たずに首都崩壊する可能性だってあるのです。