海外旅行中の支払い手段としてのデビットカード 〜第1回〜

海外旅行中の支払い手段としてのデビットカード 〜第1回〜

海外旅行のときに、支払いや現金はどうしていますか?クレジットカードや両替ですか?この記事では海外旅行(当然JGC修行やSFC修行も入ります)のときの支払い方法について、そのメリットやディメリット、安全性について掘り下げて考えます。長い記事となりますので複数回に分割しての連載です。第1回目のデビットカードについての記事となります。

海外旅行中の支払い手段

昔は、海外旅行で現地通貨の現金を手に入れるにはどうするかというと、国内もしくは現地で両替、クレジットカードのキャッシング、そしてトラベラーズチェックというのがありましたね。私の場合は海外でも引き出せる国際キャッシュカードも使っていました。

今は違います。トラベラーズチェックはもう使われていませんし、国際キャッシュカードもほぼサービス終了しております。私もかつて新生銀行に口座を持って国際キャッシュカードを便利に使っておりましたが、2018年12月8日(土)でサービス終了しており現在は使えません。他行も似たようなものです。

現在、短期海外旅行中の現金以外の支払い方法や現地ATMで現地通貨を引き出す手段としては

1. 海外でも使える国際ブランドのデビットカード
2. 国際ブランドのクレジットカード
3. 海外で使えるプリペイドカード(最近JALが力を入れています)

という、主にこの3通りとなります。



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デビットカード

デビットカードにはキャッシュカードを国内限定でデビットカードとして使うJ-Debitがありますが、使用時間帯が金融機関により決められていたり、暗証番号もキャッシュカードのそれと同一ということであまりメリットがありませんのでこの記事では触れません。個人的には全くメリットがなくリスクだけ残るので銀行口座のJ-Debit機能は最初から申し込まないか限度額をゼロにしています。

海外でも使えるデビットカードとして有名どころではVISAデビットカードがあります。VISAブランドで提携している各社が多数ありますのでVISAマークの入っているデビットカードは金融機関ごとの制約や個別のサービスを除けば基本的には全部共通です。

VISAデビットなど国際ブランドのデビットカードであれば、クレジットカードとほぼ同様に海外でも利用可能です。

デビットカードとは?

説明が前後してしまいますが、デビットカードはクレジットカードと似て非なるもので、クレジットカードとほぼ同じように店頭支払いや国際キャッシュカードのようにATMで現地通貨の現金引き出しに利用できます。支払いが承認された瞬間に設定されている自分の銀行口座から引き落とされるところがクレジットカードとは違います。したがって残高以上の利用は不可能です。

この画を作るのに結構時間がかかりました!(笑)

クレジットカード利用は一時的にせよ負債(借金)になりますが、デビットカードの利用は預金引き出しですので負債にはなりません。

クレジットカードはクレジットカード会社(三井住友VISAカードとか)が発行しますが、デビットカードは金融機関がVISAなどと提携して発行します。

クレジットカード使用は負債(借金)になりますから、クレジットカードを作るときは資産状況や収入などで審査がありますし年齢制限があり18歳以上でないと作れません。しかし、デビットカードはもともとある資産(口座残高)を使うので負債にはならず年齢制限もありません。

デビットカードは銀行口座の残高(引き出し限度額)以上の金額は支払えない。

クレジットカードは使いすぎて、支払い日に引き落としができないという事が起こる可能性がありえますが、デビットカードなら引き出し可能額以上には使えませんし、設定している口座はそれ専用にし普段は1〜2万円以下の額しかいれておかないようにすれば、万一悪用されても残高以上の被害を防げますしそれ以下に利用限度額設定も可能です。

世界でも有数のシェアとなると思われるVISAデビットは、支払いに使用されるシステムで承認されるとそのスマホに通知されますので、正しく支払われたかどうかが確認できます。クレジットカードだとカード会社に利用データが入るまでは本当のその金額なのかどうかといった確認ができませんし、悪用されても最悪はカード明細をみないとわかりません。

デビットカードの安全性

不正利用からの保護

クレジットカード同様に盗難不正利用などからは原則として利用者(客)は保護されます。

即時に引き落とされるのでクレジットカードのように引き落としまでの間に止められないのか?

確かにそう思いますよね。一見するとそう思えますが、金融機関は不正利用に対してのサポートをしておりますし、VISAデビットであれば、VISAのクレジットカード同様に不正検知システム「Visa Risk Manager(VRM)」で検知して決済を停止したりカードを一時的に止めたりしています。

保護されない場合もある

金融機関での不正利用に関する利用者保護は利用者に重大過失があるかどうかによって変わってきます。一般に下記のような状況を金融機関が証明することができると、客の重大過失であり金融機関に責任はないとされますので注意が必要です。利用者の重大過失とは以下のようなものになります。

重大過失となり補償されない場合
(1) 他人に暗証番号を知らせた場合
(2) 暗証番号をカード上に書いていた場合
(3) 他人にカードを渡した場合
(4) その他(1)から(3)までの場合と同程度の著しい注意義務違反があると認められる場合

これらにあてはまると「アンタが悪い!」ということになります。

(1)(2)は普通にはありえないと思いますし、(3)にしても決済時に店員に手渡す以外では絶対にカードを渡してはいけません。

決済だって、本来なら目の前の決済端末に自分でカードをセットして自分で取り出すくらいが必要です。海外のレストランで精算時に伝票にカードを乗せて清算する(海外では普通なんですが)方式は非常に危ないので本来はカードを渡すべきではありません。これが(3)に無条件に該当するとは思いませんが、字面だけ捉えると該当するように思えてしまいますし、場合によってはこれを理由に補償が拒否される可能性は低いとは言えゼロではないことを心得るべきです。危なそうなところではクレジットカードやデビットカード決済にせず現金決済すべきです。

店員にカード情報などを一切渡さないQRコードをスマホで読み取る決済(予め印刷されているQRコードを読み取り客が金額を入れて店員が額を確認して決済完了するもの)は安全度が高いと言えます。

重大な過失ではなく一般の過失が客にあると銀行が判断した場合は、銀行側の賠償割合が100%ではなくなり、客も何割かは被る必要があります。

過失となる場合
(1) 推測容易な暗証番号(郵便番号、自分や家族・ペットの誕生日、番地や部屋番号、電話番号、自動車のナンバー、会社の社員番号、学生なら学籍番号等)を使用した場合
(2) 暗証番号のメモをカードと一緒に持ち歩いていた場合
(3) 金融機関からの暗証番号変更依頼がきているにも関わらずなんども応じずに放置した場合
(4) 暗証番号をロッカー、貴重品入れ、携帯電話など金融機関の取り引き以外で使用する暗証番号としても使用していた場合
(5) カードを入れた財布を人目につきやすいところに放置した場合
(6) 酩酊してカードの管理ができない状態になった場合

特に(4)は要注意です。キャッシュカード、クレジットカードの暗証番号はすべて独自のものにすべきですが、記憶には限界がありどの番号がどのカードがごっちゃになりかねません。メインバンク(ある程度多額の金が入っている)は複数行あればそれぞれ独自の番号にして、クレジットカードやデビットカードはキャッシュカードとは異なる番号にすべきです。

キャッシュカード兼デビットカードの場合は特に注意が必要です。それぞれ別々の暗証番号(PIN)が設定できますので別の番号を設定すべきです。

あまりないとは思いますが(5)と(6)も要注意です。特に(5)は一人のときはないと思いますが、仲間と一緒のときなどは財布をテーブルに出したままちょっと離席したりする人がいますね。

「おさいふをテーブルの上にだしたまま」は非常に危険です。

自分の離席中にクレジットカード番号、有効期限、CVC(カード裏の印刷された3ないし4桁のセキュリティ番号)をメモられたらゲームオーバーです。何ヶ月後かに悪用されたらもう犯人は誰かなんて絶対わかりませんからね。番号を盗まれたあなたが悪い!ということ。

クレジットカードやデビットカードに関しては、他人に見せることは絶対にいけません。これらに関しは性悪説を前提に望むべきです。

ともあれ、一定の保護はクレジットカード同様に受けられますので上記のような基本的注意を怠らなければ、まず問題はありません。

<以下、次回に続きます>

 



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