PCやMacのバックアップには何を使っていますか?筆者はNASとクラウドの両方を使い分けています。外付けディスクでバックアップもいいですが、なかなか面倒なのでいざというときに困らないためもNASやクラウドをお勧めします。
悲劇はある日突然やってくる
あらかじめ分かっているならそれは悲劇にはならないでしょう。
突然やってくるから悲劇なんです。
PCやMacを長くつかっている人は、一度や二度はこうした悲劇に見舞われた経験はあるでしょう。
そして「絶対バックアップをとるぞ!」と心に誓ったけれど、喉元過ぎれば熱さを忘れるという諺はまさにこのためにある。
いつしかバックアップをとりわすれることが多くなるわけで、また忘れた頃に悲劇が訪れます。
昔よりはハードディスクも壊れにくくなりましたし、最近はSSDが普及してきてますます悲劇のことを忘れます。
SSDといえどもいつかは壊れる!のでバックアップは大切。
こわれなくても操作ミスでの削除・上書きなどは頻発する可能性がある。
クラウドは万能にあらず
筆者愛用クラウド
筆者はクラウドではOffice 365 Business(現在はMicrosoft 365 Apps for business)とG Suite Business(現在はGoogle Workspace)を利用しています。
それ以外には、Evernote(有償サービス)も筆者には不可欠なツールです。
Office 365 Business:
・月額:900円
・Office製品(5台のモバイル デバイス、5台のタブレット、5台の Windows PC または Mac)
・1TBまでのOneDrive(Microsoftによる検閲なし)
・優れた管理機能と信頼性
・独自ドメイン(別途)でのGoogleメールが使える。
・OneDriveに置いたデータをWordやExcelは直接編集可能でオートセーブも使える。
Google Workspace Business:
・月額:1,360円
・2TBまでのGoogle Drive(GoogleによるAI検閲なし)
・優れた管理機能と信頼性
Office 365の場合はOfficeアプリがPC/Macで5台まで使えるというメリット以外に1TBのビジネス用OneDriveが使えるメリットがあります。
Evernote:
・600円/月(年払いなら433円/月)
・言わずとしれたクラウド型ドキュメント管理
・同期できる端末(PCやスマホ、タブレット)は無制限
・容量制限なし(月間10GBまでのアップロード制約はある)
・PDFや画像内の文字列も検索できるし、PDF内に書き込みもできる
・日記や物品購入記録(写真も一緒に)などには特に適している。
有償サービスを使う理由
筆者も長年IT関連業界に身を置いていましたので、優れたサービスを提供するにはそれなりの費用が必要なのを身に染みて理解していますし、ある意味、ただほと高いものはないとも思っています。
Office 365やG Suiteはフリーや消費者用に比べると、ライセンス数やセキュリティ・検閲有無などで大きな差があります。
Office 365のビジネス用やG Suite(Google Workspace)は世界中の大手企業で使用されている信頼性の高いシステムです。
たとえばGoogleカレンダーであれば、不注意で外部公開してしまう可能性があるのがフリーのものですが、G Suiteであれば管理コンソールでそれらの振る舞いに制約を与えることが出来ます。
さらにG Suiteであれば別途ドメインが必要(Google Domainsを使えば1,050円/年)ですが、@gmail.comといういかにもフリーメールでござい!とわかるアドレス以外の独自ドメインのメールをG mailとして使える。
Evernoteは容量や同期できる端末数制約から有償サービス以外には実用上ありえません。
月々の投資にはなりますが、信頼性 ・可用性などで今やITなしでは成り立たない生活の基盤データを保管するのには絶対必要だと思っています。
クラウドの難点
難点もあります。
・大容量のデータをクラウドにアップロードすると、ネット接続のデータ容量上限に引っかかる可能性がある。
・サービス停止の危険性(特に日本国内独自のローカルな弱小サービス)
・データを人質に取られているので値上がりにNOといえない
一番目のデータ容量制限。
これ以外な穴でして、筆者はCATVのネット接続サービスを自宅で利用していますが、Adobe Lightroomを使い始めた時にローカルPCにある膨大な写真がAdobe Cloudへのアップロードが自動的に始まっているのに気づかず、CATVの会社からメールと配達証明付きの郵便で警告を受けたことがあります。
多くの家庭向け接続サービスは、下りは無制限でも上りにはそれなりに容量制限があります。
普通に使っている分には問題はほとんど起こりませんが、使い始めの初期転送などは要注意です。
二番目のサービス停止の可能性。
MicrosoftやGoogle、Evernoteといった世界中に広がるサービスであれば、そう簡単にある日突然サービス停止にはならないとは思いますが、日本ローカルの弱小クラウドは要注意です。これは安全面から絶対使うべきではないと思います。
三番目の値上げの可能性。
データを人質に取られているので逆らえないです。
よほどひどい値上げ出ない限りは甘受せざるを得ません。
NASも併用がベター
NASは2台で使う
NASとはローカルネットワーク(自宅のネットなど)にぶら下げるストレージです。
文書やOfficeアプリのデータなどを保管するにはクラウドが向いていますが、大容量になる写真や動画は転送に容量制限もあるし時間もかかるので不向きだとはいえます。
それを解消するのがNASです。
筆者が使っているのはSynologyのものです。
DiskStation DS216j(2ベイでミラー構成)
DiskStation DS116j(1ベイ)
NASでミラー構成をしても、形あるものは何壊れるという前提に立つべきです。
とくにコントローラーが破損したら復旧は結構大変です。
ディスクは壊れなくてもパワーサプライが壊れたらやはり使えなくなります。
どんな冗長構成であっても所詮は一台のハードウェアなので、別ハードでの冗長構成が望ましい。
こちらはクラウドと違って月額とかではないので、買い換えない限りは初期投資のみ。
国産メーカーでもいろいろありますが、SynologyのJシリーズはNASキットであり別途ドライブを用意する必要があります。
NASのドライブはケチってはいけません。PC用のものではなくNAS用として24時間365日稼働を前提としたものにすべきです。
筆者はWestern Digital社のRedを使っています。
多少割高でも、絶対に24時間365日稼働を前提としたNAS用ドライブにしてください。
バックアップとしてのNAS
NASがあってもバックアップが手動では意味が薄れます。
かといってMacのTimemachineもディスクを食い尽くすだけでいざという時には結構面倒なので使っていません。
Macであれば「FreeFileSync」という同期アプリが役に立ちます。
Macではカレンダーと「FreeFileSync」を組み合わせると自動的にローカルファイルと同期が取れます。
Windowsであれば先日当ブログで紹介した「MiniTool ShadowMaker」が大いに役立ちます。
この「MiniTool ShadowMaker」は超お勧めです。
他にクラウドデータもNASに取るということもしています。
クラウドのデータの中でも重要なものは適宜NASにもコピーを取る。
Evernoteなどは特に替えがきかないし、単体ファイルの集合体ではないのでNASにダウンロードしてバックアップします。
まとめ
クラウドサービスは非常に役に立つが、無償サービスには限界がある。高い信頼性と可用性を期待するなら有償サービスを契約すべきである。
クラウドはデータ転送でネット接続契約の制約を受けるので、大容量データ保管やPCバッグアップには家庭内ネット接続のNASがお勧め。
NASは最低でもミラー構成、できればハードウェアで別々に2台運用し故障に備えるのがベター。
NASへのバックアップはMacならカレンダーとFreeFileSyncの組み合わせなら金がかからない、PCならMiniTool ShadowMakerが簡単でおすすめ。
NASに使用するドライブは絶対ケチらない。24時間365日稼働を前提としたドライブ(Western DigitalのRedなど)を選ぶべし。