昨日の記事ではマクロ撮影特化型コンパクトデジタルカメラのおすすめを書きました。しかし、世の中は非コンデジ時代です。旅先などで見ていると写真を撮る道具はスマートフォンか小型のミラーレス一眼がほとんどです。今回はマクロ撮影重視という視点で、スマートフォン、マクロ特化コンデジ、マクロレンズ装着のミラーレス一眼を簡単に比べてみましょう。
マクロ撮影って必要なの?
読者の皆様の中には、SNSに写真を上げている方も多いと思います。
風景や食事ならともかく、ちょっといい感じのアクセサリーがあったのでそれを拡大したような写真も撮りたいとか、きれいな花をアップで撮りたいと思ったことがありませんか?
でも、いざやってみると近づきすぎると焦点が合わない、焦点が合う範囲まで下がると被写体が小さくなってしまうという痛し痒し。
それを解決するのがマクロ撮影機能です。
大抵のコンデジにはマクロや接写といったモードがありますし、最近はスマートフォンにだってあるものが多いです。
ミラーレス一眼ではマクロレンズを装着すればあっという間にマクロ専用カメラに早変わりします。
それではどれが良いのでしょうか?
実写で比較
スマートフォン
筆者が愛用しているHUAWEI Mate 20 Pro(2018年11月発売)にはスーパーマクロのモードがあり、かなり拡大できます。
一枚目と二枚目はプラグイン・ギター・アンプのVOX amplug2 Clearのプラグ先端の写真で、三枚目はジーンズ(ブラック)生地拡大です。
二枚目はスーパーマクロ最大倍率の3倍まで上げて焦点のあうぎりぎりまで近寄りました。
三枚目のジーンズ生地アップは相当細かいところまで撮れています。
マクロでは超広角カメラが使われて倍率は1~3倍のズームが可能です。
センサーサイズ:非公開
レンズ構成:非公開
焦点距離()は35mmカメラ換算: (13mm~20mm)、ただしEXIFで見ると全て同じ焦点距離になっているのでデジタルズームだと思われます。
開放F値:2.2
スーパーマクロ:0.025m~0.1m
マクロ特化型コンパクトデジタルカメラ
使用したカメラはOLYMPUS STYLUS TG-2 Tough(2013年2月発売)です。
一枚目はプラグイン・ギター・アンプのVOX amplug2 Clearのプラグ先端の写真で、二枚目はジーンズ(ブラック)生地拡大です。
センサーサイズ:1/2.3インチ
レンズ構成:7群9枚(フィルター径 40.5mm)
焦点距離()は35mmカメラ換算:4.5mm~18.0mm (25mm~100mm)
開放F値:W2.0~T4.9
光学ズーム倍率:4倍
撮影範囲(レンズ先端より):通常:W0.1m~∞ 、T0.1m~∞
スーパーマクロ:0.01m~0.1m
ミラーレス一眼+マクロレンズ
使用したボディはPanasonic LUMIX GX7MK2、レンズはM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroです。
一枚目はプラグイン・ギター・アンプのVOX amplug2 Clearのプラグ先端の写真で、二枚目はジーンズ(ブラック)生地拡大です。
センサーサイズ:4/3インチ
レンズ構成:10群13枚(EDレンズ、HRレンズ2枚、E-HRレンズ)
焦点距離()内は35mmカメラ換算:60mm (120mm)
開放F値:2.8
光学ズーム倍率:なし(単焦点)
撮影範囲(レンズ先端より):0.19m
最大撮影倍率:1.0倍(35mm判換算 2.0倍相当)
どれが良いのか?
前述のスマートフォン、マクロ特化型デジカメ、ミラーレス一眼+マクロレンズのどれが良いかですが、これはどれも一長一短です。
スマートフォンでマクロの良し悪し
メリット:
・別途、デジカメなどを買う必要がない。
・HUAWEI Mate 20 Proのようにカメラ性能大当たりのスマートフォンならマクロ特化型コンパクトデジタルカメラ無用である。
・撮りたいものに遭遇した時に、スマートフォンさえあればすぐに撮影できる。
ディメリット:
・スマートフォンのカメラ性能はスペックが詳細でないことが多く、マクロ性能は実機で撮影しないとわからないという「賭け」です。
・マクロ撮影時の手ブレ補正は機種により大きな差があり、手ブレ補正があってもブレることがままある。
向いている人:
・すでにマクロに強いスマートフォンを持っている人
・買おうとしているスマートフォンがマクロに強い機種である人
・マクロのためにカメラを用意したくない人
・マクロで撮ってもSNSにアップするだけという人
マクロ特化型コンパクトデジタルカメラの良し悪し
マクロ特化型コンパクトデジタルカメラのおすすめについては昨日の記事をどうぞ。
メリット:
・マクロ特化なのでRICOHのWGシリーズのようにレンズ周囲に6灯LED内蔵やオプションのリングライト(OLYMPUS TG-6)がある。
・スマートフォンと違ってカメラなので操作性に優れており撮影しやすい
ディメリット:
・別途出費が必要となる。
・持ち歩き荷物が増える。
・構えにくくブレやすい。
向いている人:
・現用スマホのマクロ機能がしょぼい人
・スマホのマクロは当たり外れが大きいので、ちゃんとしたカメラでマクロを綺麗に撮りたい人
・スマホのカメラは好きじゃないが、ミラーレス一眼は大げさだと思う人
ミラーレス一眼+マクロレンズの良し悪し
一番の王道はやはりこれでしょう。
自宅で落ち着いてマクロを撮りたい、最初から花の撮影にでかけるなどであればこれにまさるものはないでしょう。
選ぶボディやレンズにより、マクロで撮れる倍率などもバリエーションが出ます。
すでにミラーレス一眼を持っている方も昔に比べて格段に多いと思いますので、実質はレンズを買い足すくらいで済みます。
メリット:
・一眼なのでフォーカスが合わせやすい
・センサーが大きいのでダイナミックレンジに優れ画質も良い。
ディメリット:
・見つけた瞬間にマクロで撮りたいというのは、最初からマクロ撮影の用意をしていない限り難しい
・すでにミラーレス一眼を持っていないと出費が高く付く
向いている人:
・まずは道具から入る、形から入る人
・カメラにうるさい人
・きれいなマクロのためには手間と費用をいとわない人
・すでにミラーレス一番のボディーを持っている人
まとめ
スマートフォンのカメラの進化は著しいですが、モデルにより当たり外れも大きくスペックもカメラ・レンズのように詳細が明らかになっていないことが多く、結果としてスマートフォンのカメラ性能が自分の用途にとって良いか悪いかは賭けである。当たればコンパクトデジカメ不要であるのはほぼ間違いなし。
スマートフォンはカメラではないので、撮影時の操作性では到底カメラには及ばない。(特に撮影時に細かくいろいろ調整する場合は最悪)
ミラーレス一眼にマクロレンズという組み合わせは理想ですが費用がかさむし取り扱いにも知識が必要。
マクロ特化型コンパクトデジタルは、カメラを選び間違えなければ簡単にきれいなマクロを撮れ操作性も優れていますが、やや出費が必要。