GoPro HERO 11 Blackで発熱問題(熱暴走)は健在、4K撮影で回避方法を求めてテストした

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GoPro HERO 11 Blackはアクションカメラとしてはピカイチ性能ですが、物には必ず欠点があります。GoPro HERO 11 Blackの最大の欠点は高解像度撮影時の発熱によるシャットダウンです。FHD30pではバッテリーが切れるまで撮れますが、4K60pではバッテリーが切れる前に発熱でカメラがダウンします。そこでいくつかのパターンでテストを行い4K画質でも発熱によりダウンしないパターンを見つけました。

お断り:
この記事では冒頭部分のみ世間の各種記事同様に「熱暴走」という言葉を用いていますがこれは正確ではありません。確には「熱暴走して制御不能になるのを防ぐために異常な発熱時に予防的にカメラがシャットダウンすること」です。本気で熱暴走してしまったらスイッチなど外部の制御を受け付けなくなります。

この記事ではGoPro HERO 11 Black(ファームアバージョンは02.10)を使用しています。

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GoProの発熱シャットダウン問題

いわゆる熱暴走(正確な表現でないのは冒頭に書いた通り)、すなわち発熱によりカメラの損傷を防ぐために自動的にシャットダウンすることですが、これはHERO 11に限らず前モデルまでも問題になっており、それは残念ながらHERO 11でも健在です。

[GoPro公式] HERO11 Black:カメラの温度が高すぎます
https://community.gopro.com/s/article/HERO11-Black-Camera-Is-Too-Hot?language=ja

バッテリー駆動時間は以下の通りのデータが開示されています。

[GoPro公式] GoPro Camera Battery Life (HERO 11 Black)
https://community.gopro.com/s/article/gopro-camera-battery-life?language=en_US#hero11black

これによれば、4K60pのHyperSmoothオンでバッテリーは70分持つことになっていますが、筆者のテスト結果によれば、現実の使用状況下ではそんなに連続撮影はできません。

GoProのテストは10℃(50°F)、Wi-Fi、GPS、音声制御はすべてオフ、LCDは1分後にオフに設定という条件だと上記サイトには書かれています。問題は温度です。GGoProを強制冷却して10℃に保たない限りこの時間の連続撮影は不可能です。

どうやってテストしたのかその具体的な方法を教えていただきたいものです。

そうなるとGoProのバッテリーテストそのものの信憑性にも疑問が湧いてきます。

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テスト結果

内蔵Enduroバッテリー使用時において、バッテリードアをオープンにしたまま、あるいは外してしまうという条件は少々考えにくいのでテストしていません。また、USB接続でモバイルバッテリーを使った場合には、バッテリードアは半端に空いたままとなりますのでその状態で実験しました。

1回のテストが終わる都度、バッテリーを装着している場合はバッテリーを取り出してバッテリードアを90度開いて机上に置き、バッテリースペース部に指を入れてみて冷たく感じ、なおかつGoProを握って熱を持っていないと感じるまで自然空冷しています。Enduroバッテリーは完全に室温状態のものを毎回フル充電して使用しています。

これらのテストの共通条件は以下の通りです。

レンズ:リニア
ズーム:1.4倍
10ビット:オフ
ビットレート:標準
シャッター:自動
EV値:0
ホワイトバランス:自動
ISO最小:100
ISO最大:1600
シャープネス:中
カラー;ナチュラル
Rawオーディオ:オフ
ウィンド:自
GPS:オフ
音声コントロール:オフ
ディスプレイ(スクリーンセーバー):1分(前面はリアルクリーンに一致)
ディスプレイ(明るさ):50%

「90分たっても問題なし」は90分連続撮影しても発熱によりシャットダウンしなかったということであり、90分以上の長時間連続撮影してもシャットダウンしないということではありません。90分経過してシャットダウンしなかったのでテストを切り上げました。

解像
フレームレート
HyperSmooth電源バッテリード発熱シャットダウン
4K30pOFF外部モバイルバッテリーオープン(半開き)90分たっても問題なし
4K30pON外部モバイルバッテリーオープン(半開き)90分たっても問題なし
4K30pOFFEnduroバッテリークローズ74分でダウン
4K30pONEnduroバッテリークローズ49分でダウン
4K60pOFF外部モバイルバッテリーオープン(半開き)90分たっても問題なし
4K60pON外部モバイルバッテリーオープン(半開き)43分でダウン
4K60pOFFEnduroバッテリークローズ37分でダウン
4K60pONEnduroバッテリークローズ27分でダウン
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4K撮影での発熱シャットダウンのまとめ

テスト結果

4Kであれば30pでも60pでも内蔵Enduroバッテリーを使用する限り発熱シャットダウンしました。。

内蔵Enduroバッテリーを使用して連続撮影し、シャットダウンするまでの時間はもっと短いのが4K60pでHyperSmoothをONにした27分で、最も長かったのは4K30pでHyperSmoothをオフにした74分でした。

バッテリーを外してUSB給電、すなわちUSB経由で外部のモバイルバッテリーから給電しバッテリードアは半開き状態にしておくと、4K60pでHyperSmoothをONにした場合以外は連続90分撮影しても発熱シャットダウンしませんでした。

発熱の鍵が解像度とフレームレートにあるのは当然ですが、HyperSmoothもかなりの影響があることが、シャットダウンするまでの時間がかなり違うことでもわかります。

4K定置連続撮影時

GoProの使い方からしてあまり多くはないと思いますが、三脚などを立てて定置連続撮影する場合のおすすめは以下の2点を守ることです。

・HyperSmoothは必ずOFFにする(定置なので不要)
・内蔵バッテリーを取り出して、USB経由でモバイルバッテリーから給電する。その際バッテリードアは外すか半開きにする

この条件を守れば、30pでも60pでも少なくとも90分の連続撮影は可能(実験結果より)でしょう。

4Kアクション撮影時

この場合はHyperSmoothをONにするのは不可避であり、USB経由でのモバイルバッテリー給電も難しいでしょう。

そうなると発熱シャットダウンを避けることはできないようです。実験では60pだと27分でダウンし、30pでも48分でダウンします。

4K撮影が必須ということならば、こまめにGoProの撮影を止めて熱を持たせないようにするか、複数台のGoProを用意して交互に使うくらいしか手はありません。一旦発熱してシャットダウンすると、本体が冷めないとまたすぐシャットダウンしますし、バッテリーもアッチッチ状態ですので充電するにも冷めてからでないとまずいでしょう。

外部バッテリーでのアクション撮影

埃や水滴などが入らないようなアクション撮影、手持ち撮影の場合、もし可能であればバッテリードアを外してスティックにモバイルバッテリーを固定して、外部給電する方法もありそうです。アクションカメラとしてめちゃくちゃ制限されますが、VLOGカメラとしてなら雨や雪、高湿度が避けられるのであればこの方法もありでしょう。

この場合でも60pだとテストでは43分でシャットダウンしたので、こまめに電源を切って放熱させる配慮が必要です。30pであれば問題なさそうです。

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