シンプルにジンバルカメラとしてGoPro HERO 11 Blackを使うときに困ってしまうところは?

シンプルにジンバルカメラとしてGoPro HERO 11 Blackを使うときに困ってしまうところは?

筆者が所有しているアクションカメラはGoPro HERO 11 Blackです。以前はDJI OSMO Action(初代)でした。筆者の場合ヘビーなアウトドアアクションユースに使うことはなく、ジンバル一体型カメラ的に手持ち撮影で手ブレ防止・水平維持目的で使うことが多いです。通常のジンバルより小型で荷物が少なくなるのがメリットです。GoProが本来狙った使い方ではないとは思いますが、困ったこともあります。

良いところ

水平ロック

GoPro HERO 11 Blackを選んだ最大かつほとんど唯一の理由がこれだと言えます。

筆者が最初に買ったアクションカメラはSONYのアクションカムFDR-X3000というものでした。これはこれで当時としてはかなり良かったわけですが、初めてこの手のカメラを使ってわかったのは「筆者はカメラの水平を維持するのが下手くそ」というものでした。

一眼で写真を写す時は必ずレベルメーター(電子水準器)をディスプレイに表示しています。逆に言えばこれができないカメラは買わないということもありますが、とにかくそれくらい水平を取るのが苦手。その時は水平に取ったつもりでも後からMacの画面で見ると傾いてるし….。

「俺の脳みそ傾いとるんか?」

スマートフォン(現在はGalaxy S23 UltraとiPhone 14 Pro)で撮るならばDJI Osmo Mobile 5というジンバルを使いますので水平問題はありません。ジンバルは手ブレを吸収して画像のブレを防止するだけではなく、持っている手が傾いても水平を保つのも大きな役割ですから。

(上の写真では撮りながら喋る用にマイクはディスプレイ側を向いています)

GoPro HERO 11 BlackではそれまでのHERO 10から大きく進歩して、本体のみで360度回転に対して水平ロックできるようになりました。すなわちGoProをぐるぐる回転させても映った映像は水平を保っています。

注意:
GoPro HERO 11 Blackの水平ロック(360度回転させても水平を保つ)のは解像度とフレームレートで制限があり、以下の解像度・フレームレートでは使用できません。
・5.3K / 60fps
・4K / 120fps
・2.7K / 240fps
・1080p / 240fps

普通のVLOGとかで4Kは撮っても120fpsでずっととる人ってレアでしょうし、第一発熱でGoProがダウンするでしょう。

上記の解像度・フレームレートでは水平維持(約20度程度〜40度を切る程度の傾きまでは吸収する)となります。

水平を取るのが苦手な筆者のような人間にはもってこいなのです。

コンパクト

買った理由の一つがGoProのコンパクトさにあります。

しかし、実物を手にして三脚マウントアダプター装着の上Manfrottoの卓上三脚兼グリップPIXIをつけると、その後に買ったジンバルDJI Osmo Mobile 5をもつのと荷物に大差ありません。

むしろジンバルだといつも使っているスマートフォンを付けるだけですが、GoProだと純粋にGoPro分が荷物増加です(笑)。

コンパクトなのは事実ですが、これで持ち物増加を防げるものでもない。



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困ったところ

さて、本題。

筆者はそもそもアウトドア派ではないので、GoProをバイクのヘルメットにつけたりマウンテンバイクのハンドルにつけてダートを走ったりはしません。何かの折にジンバル+スマートフォンやジンバル+カメラの代わりに使います。いわばVLOG的使い方。

それなら、GoProじゃなくていいじゃん!ってのはその通りだとは思いますが、なかなかGoProのようにコンパクトなものがないのです。

そういう使い方、すなわちスマートフォンやミラーレス一眼と違って困ることもあるわけです。

連続撮影時間が短い(熱問題)

バッテリー駆動時間ではなく、4K60pでHyperSmoothをONにすると、バッテリが空になるよりずっと前にGoPro本体の発熱でシャットダウンしてしまいます。

関連記事:

GoPro HERO 11 Blackで発熱問題(熱暴走)は健在、4K撮影で回避方法を求めてテストした (2023/06/04)

コラム、「熱暴走」と言う言葉の誤用
多くの人が「熱暴走」というのを間違って使っているように思います。本来は化学や半導体で発生する現象の一つで、何らかの理由で発熱したことによりさらに発熱するメカニズムが起動され、発熱が発熱を招きついには制御不能になり破壊にいたるというものです。
半導体は電流が流れると多少なりとも発熱し、温度が高くなると電気抵抗が下がりさらに多くの電流が流れて温度が高くなる。この悪循環により半導体素子が破壊されてしまうことを「熱暴走」といいます。素子が破壊されるため一旦熱暴走した半導体素子は元に戻らない、つまり不可逆反応です。
アクションカメラやPCなどで「熱暴走」という言葉が罷り通っていますが、これは「熱暴走」ではなく単なる「オーバーヒート」です。

GoPro HERO 11 Blackでは4K60pといった高解像度・高フレームレートでなおかつHyperSmooth(電子手ぶれ補正)をONにすると、内部のCPUなどに大きな負荷がかかり熱を発します。そのままほうっておくと本物の「熱暴走」になり半導体素子が破壊されてしまうしリチウムイオン電池への悪影響も考えられますので、そうならないように内蔵されたセンサーである程度以上の温度になると処理を停止するように設定されています。これを巷では「熱暴走」といって「誤った表現」をしていますが、本来は「オーバーヒート」による「内部保護のための自動シャットダウン」が正解です。決して「熱暴走」ではありません。「熱暴走」したら本気で壊れてしまいます。

いずれにせよ20分や30分で勝手に落ちるのは長回ししたい時に困ります。

実験していませんが、4K60pで水平ロックをかけると更に短くなる可能性もあります。真冬の氷点下の屋外ならともかく、昨今の酷暑の屋外ではかなり厳しいかもしれません。

DJI Osmo Action 3はその点はGoProよりマシなようですが皆無ではないようです。そもそもアクションカメラは密閉された小さな筐体に押し込めているので、多かれ少なかれどこかで熱暴走による自己破壊を防ぐためにオーバーヒートにより自動シャットダウンするでしょう。ただ20分とか30分というのは少々早すぎます。

DJI Osmo Actionも360度のHorizonSteadyに対応していますが2.7K/60fpsまでという制限がありかなり見劣りしますし、45度までのHrizonBalancingも4K60fps以下とGoProには劣ります。

ポイント
GoProの動作音(ピピッ!)は少々大きいのですが、音を立てられないシチュエーション以外では止めないほうが良いです。オーバーヒートで停止する際には「ピピピピッ!」と甲高い連続ピピピで教えてくれるので、停止したことがわかりますが、音を止めていると止まっているのを知らずに、録画できているつもりになってしまうことがあり、後からみて相当ガックリすることがあります
ので要注意。

メディアモジュラーの出来が悪すぎ

GoProで音もきれいに録るには外部マイク必須です。

そのためにはオプションのメディアモジュラーをつかうことですが、これがあまりにも出来が悪い。

GoProの保護ケースみたいな感じでGoProをメディアモジュラーの中にに入れます。

メディアモジュラー自身にはマウントはないのでGoPro底部のマウントを使うことになりますが、マウントするとメディアモジュラーからGoPro本体が取り出せなくなります。

そして構造上バッテリーの出し入れは奥側にあるので、完全にマウントを外さないとバッテリーやmicroSDが取り出せません。

本氣で使うシーンとユーザーの手間を考えて作ったとはとても思えない代物で、あればいいんだろ、あれば!みたいな開き直りすら感じます。

スティックを使わないで、GoPro本体だけを手に持って使うなら、逆にバッテリ交換もやりやすいくらいですが、そうでない限りは買ってしまうときっと後悔します。で、使わなくなり死蔵するかヤフオクやメルカリへ….。

VLOGのように録画しながら自分の音声を入れるような場合であれば、必ずしもメディアモジュラーに外部マイクを繋ぐ必要はありません。音声を別撮りして編集時に筆者であればDaVinci Resolveで波形同期を取れば、GoPro内蔵マイクで録音したイマイチであるが一応撮れている音と、別撮りした音を同期させて別撮りの音質が良い方を使うわけです。

メディアモジュラーを不便なく使うにはさらにサードパーティの品を買い求めたりする必要もありますが、GoProを買い替えると使えない可能性があります。

GoProに限らない話ですが自分の音声を綺麗に録るなら、GoProはGoProで内蔵マイクで音を録り、それとは別に外部レコーダーで綺麗に音を録り編集時に音声波形同期することです。DaVinci ResolveやAdobe Premiere Pro、Apple Final Cut Proでは音声波形を解析して同期させる機能がありますのでそれを使うのが、結果的に潰しが効きます。カメラを買い替えても専用の外部マイク機材などは無駄になりません。

まとめ

筆者にとってGoProの困ったところは、発熱による短時間でのシャットダウン(熱暴走とは言いません)と、メディアモジュラーの出来の悪さの2点です。

1つ目についてはアクションカメラの宿命的なものでもあるのでやむなしとしても、せめてHyperSmooth使用での4K60pで60分位は連続撮影できてほしいです。これくらいなら今後の新製品でなんとかなるでしょう、GoProさん?

2つ目はGoProが対策をしようと思えばすぐ出来るはずですが、やる気がないとしか思えません。いつまでこのとんでもないメディアモジュラーを売り続けるのでしょう?

GoProに外部マイクをつけるためだけにメディアモジュラーを買うのはあまり得ではありません。音声は別のレコーダーで綺麗に録音して編集時に音声波形同期をとるのが一番簡単かつカメラ買い替え時に無駄が発生しません。

GoPro購入を検討中の方はこのあたりも良く考えて検討しましょう。

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