関西は私鉄の天下と言われています。その中でも阪急電車の大阪梅田駅は壮観です。おそらく日本一の規模を誇る駅だと思います。今回はその話です。
私鉄王国・関西
関西の私鉄といえば、阪急・京阪・近鉄・阪神・南海の五社をさします。この大手五社と準大手と言われる四社と中小十一社で近畿圏をほとんど全部カバーしているといっても過言ではありません。
特に京阪神は競争が熾烈で、京都と大阪の間は京阪・阪急・JRが競合し、大阪と神戸の間は、阪急・阪神・JRが競合しています。京都の場合JRの京都駅は河原町から離れており昔は新幹線が止まる駅以外の何ものでもありませんでした。京都市内の外れの不便な駅という印象です。
それにひきかえ、大阪と神戸の間は、海側から山手側に向かって阪神・JR・阪急となりこの順で沿線グレードが高くなるとされており、不動産価格もこの順で高くなるのが普通です。
それにしてもなぜ私鉄王国になったのでしょうか?
ちょっと調べてみましょう。
関東の場合
関東の場合、基本になるのはJR山手線であり、その内側は東京メトロと都営地下鉄がカバーし、外側はJRと私鉄が分業してカバーしているようなイメージなのでどうしてもJRの影響が非常に強く出てしまいます。
なので、官に頼らないなどというのはあり得なかったわけで、いかに山手線のターミナル駅に自社路線の駅を置けるかが死活問題にもなったわけです。
関東での私鉄といえば、東京メトロを除き、東武・西武・東急・小田急・京王・京急・相鉄・京成の八社をさします。これらの営業距離をみてみましょう。
東武 | 463.3 |
西武 | 176.6 |
京成 | 152.3 |
小田急 | 120.5 |
東急 | 104.9 |
京急 | 87.0 |
京王 | 84.7 |
相鉄 | 35.9 |
合計で1,225kmとなります。
関西の場合
阪急の創業者小林一三氏による沿線開発は有名ですが、関西では基本的に官に頼らない街づくりということで、自社で沿線周囲に自社が開発して街を作り上げてきました。宝塚を作ったのも今から思えば随分大したアイデアです。
関東は関東平野が広がり大きな街も分散していますが、関西では京阪神という通り、京都・大阪・神戸が三大都市であり、この三大都市間をいかに便利に結ぶかが関西の私鉄王国の大きな要因だと考えます。
阪急は拠点を梅田に置き大阪梅田駅は日本最大規模を誇る駅です。関西では正式駅名の「大阪梅田」とはあまり言わないように思います。これだと他社の梅田と混乱するので「阪急梅田」というのが普通かと思います。私もそのように呼んでいましたのでそれが正式駅名だとばかり長い間信じていました。
近鉄 | 501.1 |
南海 | 154.8 |
阪急 | 143.6 |
京阪 | 91.1 |
阪神 | 48.9 |
合計で939.5kmとなります。
大阪梅田(阪急梅田)駅
先ほども書きましたが、おそらくこの駅は日本最大です。
9線10面を誇る巨大なホームは圧巻です。
写真の場合、奥から3線が神戸線、次の3線が宝塚線、写真には写っていませんが次の3線が京都線となっています。
そしてこの3線が同時に発車し十三まで3編成の優等列車が並走するタイミングがあります。
神戸線と宝塚線の優等列車は毎時10分・20分….50分と10分間隔ですが、京都線のダイヤはそうではないので、三線同時発車で十三まで並走するのは限られており確実なのは毎時0分、あとは時間帯によりかわりますが、三線同時で十三まで並走は一部時刻をのぞいて、毎時0分・10分・20分….50分となります。
機会があれば、ぜひ三線同時に優等列車が発車するタイミングで、神戸線か京都線に乗ってください。神戸線なら進行方向右側、京都線なら進行方向左側に残り二線の電車が並走するのが見えます。
できれば神戸線のほうが、途中から宝塚線や京都線を見上げる形になるので、圧巻さが増します。
まとめ
関東と違って関西(京阪神)は私鉄の天下で大手五社はそれぞれ独自のカラーがありそれを各社とも誇っている。
阪急梅田駅(正式には「大阪梅田駅」)は9線10面を誇る日本最大の私鉄ターミナル駅。ここから三線同時に優等列車が出発するタイミングがあり、十三まで三線が並走する姿は圧巻。