SONYのエントリーイヤホンは価格の割に音質が良いのが特徴です。今回はエントリーイヤホンの代表格2種、MDR-XB55APとMDR-EX255APを比較レビューします。
比較してみよう
写真比較
白いほうがMDR-XB55AP、赤いのがMDR-EX255APです。
ハウジングはMDR-EX255APのほうが小型で、MDR-XB55APは低音を出すためにハウジングとダクトを大きくとっている分、サイズもでかくなります。
下の写真で比較するとさらによくわかります。
MDR-XB55APにはケーブルの先にベースブースターという筒がありますが、MDR-EX255APにはそれがありません。
この差が低音の迫力の差になります。
プラグの部分は同じL型ですが、デザイン的にMDR-XB55APはハウジングのデザインにあわせて角がつくってあります。
実用上はどちらも全くさがありません。
ケーブルはMDR-XB55APは見た目フラットですが細かい溝のあるセレーションケーブルで絡みにくくなっています。MDR-EX255APも同じセレーションケーブルだとオフィシャルサイトにはありますが、見た目は中央に溝のあるタイプ。どちらも普通の丸ケーブルよりは絡みにくいし、絡んでも解きやすいです。
仕様比較
いつものとおり仕様比較しましょう。
MDR-XB55AP | MDR-EX255AP | |
発売日 | 2017年7月15日 | 2017年7月15日 |
ソニーストア価格 | 4,950円 | 3,938円 |
価格.com最安 (2/12時点) | 3,620円 | 2,924円 |
質量 | 約8g | 約3g |
ドライバーユニット | 12mm ドーム型 (CCAWボイスコイル採用) | 12mm ドーム型 (CCAWボイスコイル採用) |
感度 | 110dB/mW | 106dB/mW |
マグネット | ネオジウム | ネオジウム |
再生周波数帯域 | 4Hz-24,000Hz | 5Hz-25,000Hz |
インピーダンス | 16Ω (1KHzにて) | 16Ω (1KHzにて) |
最大入力 | 100mW (IEC) | 100mW (IEC) |
コード長 | 約1.2m リッツ線Y型 | 約1.2mリッツ線 |
コードタイプ | Y型 | Y型 |
入力プラグ | 金メッキL型 4極ミニプラグ | 金メッキL型 4極ミニプラグ |
キャリングポーチ | ○ | – |
クリップ | ○ | – |
コード長アジャスター | – | ○ |
スペックだけ見るとあまり差を感じませんね。
筆者がMDR-XB55APを購入したのは2018年4月、MDR-EX255APを購入したのはつい先日(2021年2月)です。
重さの違い
上の写真を見ておわかりのとおり、見た目のゴツさが全然違いますので重さも違って当然です。
実際、スペックでは重さが随分違いますし、手に取る・装着しても明らかに差を感じます。
MDR-EX255APは軽いのですが、筆者の好みではもう少ししっかりした重みがほしいところで、MDR-XB55APのほうが好みの重さです。
重すぎるのも良くないですが、さりとて軽すぎるのも心もとない気がします(好みの問題です)。
イヤーピースの違い
イヤーピースはどちらもハイブリッドイヤーピースです。筆者の耳穴にはLサイズが適しているので両方ともL(付属品で一番大きいやつ)をつけるとしっかりと耳穴にハマるのはMDR-XB55APです。
見た目にはよくわかりませんが、MDR-XB55APのLサイズイヤーピースはMDR-EX255APのLサイズより心持ち大きいかもしれません。
ひょっとしたら重さの違いが影響しているかもしれません。
遮音性
これはイヤーピースのフィット具合で大きく左右されます。
MDR-XB55APのLサイズイヤーピースは筆者の耳にぴったしカンカンなので遮音性はかなり高いです。MDR-EX255APももう一回り大きなイヤーピースだといいのかもしれません。
カナル型でぴったりあった(ゆるくない)イヤーピースを使えばどのイヤホンでもそれなりの遮音性はあります。
カナル型イヤホンの遮音性レビューは、イヤーピースのフィット感で相当異なるということを覚えておいてください。販売サイトのレビューで遮音性についての記載があれば、それが良くても悪くてもイヤーピースのフィット感はどうだったのかを疑う必要があります。
ということでここでは事実上ほとんど差がないと思います。
音質
筆者はソニーオーディオのファンなので、音質レビューなどもソニー好みの筆者のバイアスがかかっていることをご承知おきください。
実際問題、個人の好みを抜いた音質レビューとかありえないのです。
それを承知で簡単に音質レビューします。
ソニーのエントリーイヤホン
ソニーのエントリーイヤホンの特徴として、価格の割には音質が良い(平たく言えば相対的にフラットで高温と低音の伸びが良い)と思います。
この伸びの良さが人によりドンシャリに聞こえますので嫌う人も大勢います。
もちろんモニターヘッドホンではないので、エントリーの価格で高音と低音の伸びが悪くなるので、聞こえを良くするためにわざと高音と低音を持ち上げてドンシャリ系にしているということもあるのかもしれませんが、個人的には好みです(笑)。
音質の違い
今回はポータブルな環境ということでUnihertz Jelly 2を使用し音楽プレーヤーはPowerampとSpotifyを使いました。
全体的にMDR-XB55APのほうがMDR-EX255APよりは帯域が広く解像度が高いように感じます。MDR-EX255APはMDR-XB55APにくらべてぼんやりした感じがより強く帯域も相対的にかまぼこ型だと思います。
高音の伸びは、MDR-EX255APのほうがよさそうな先入観に反してMDR-XB55APのほうがよく伸びています。
低音はXB(Extra Bass)の名前の通り、小さいクセにガンガンきます。とはいえ、そこはエントリーイヤホンなので響かせすぎると壊れてしまう低音の難しさで解像度では同じSONYの高級タイプには劣ります。MDR-EX255APは低音はあまり出ないかというと、MDR-XB55APほどではないですが、結構来ますよ。
MDR-XB55APの低音が高級タイプより劣るといっても、聞いてすぐわかるような壊れ方はしていません、低音好きな人が屋外などで普通に聞いている分には全く問題ないと言えます。
このレベルのイヤホンなので、静かな家の中で使うとやはりあらが出てしまうので、あくまで通勤や屋外などそこそこノイズがある環境で聞くにはお手頃価格でいいのではないでしょうか。
総合評価
SONY MDR-XB55APとMDR-EX255APはどちらを買ってもエントリーイヤホンとしては後悔しないと思うがMDR-XB55APのほうが全体的には音の伸びがよく解像度も高い。
MDR-XB55APのほうが当然低音が豊かで、高音もMDR-XB55APのほうが伸びている。
MDR-XB55APには小さなキャリングポーチが付属しているが、MDR-EX255APには付属していない。