転勤・引越シーズンに備えての特集「実用引越講座」(連載3回目:荷造り等準備)

転勤・引越シーズンに備えての特集「実用引越講座」(連載3回目:荷造り等準備)

旧コンテンツですが1995年9月に執筆した「実用引越講座」というものがありました。地味に人気コンテンツでしたが、これから春までの転勤・引越しーズンに備えて、現在の状況などを加筆した「実用引越講座」を何回かに分けてお届けします。引っ越しを予定されている方は保存版コンテンツとしてぜひブックマークしていただきお読みください。

連載1回目:物件選び
連載2回目:引越計画立案、業者選択
連載3回目:荷造り等準備 (★今回)
連載4回目:旧居と新居の点検
連載5回目:引越当日
連載6回目:事後の手続き

 



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荷造り等準備

引越に荷造りはつきものであるのは当たり前ですね。

おまかせ便

最近ではおまかせパックとかおまかせ便などと呼ばれるサービスがあります。我が家も使ったことがありますが楽チン楽チン。要するに一番面倒な荷造りや開梱設置までやってくれるものです。

こういった選択肢があるのは多くの場合大手業者です。

しかし、梱包と開梱の両方をまかせてしまうとかえって手間がかかることがあります。

梱包は問題ないですが、開梱は新しいレイアウトにあわせて家具を変えたりして入れるところが以前とはかわったりするので適当に入れてもらうと、あとから入れ替えを余儀なくされます。

食器などはそのまま入れてしまうので、衛生上の問題が残りますから後から全部洗ったり拭かないといけなくなります。

おまかせ便を使うときのおすすめは、旧居では梱包まで全部任せてしまい、新居では大型家具の設置だけにし、箱から出して並べるのは自分でやること。

このほうが費用も少し安くなります。

おまかせ便の体験談

一般の引越ではあらかじめ段ボール箱にまとめられた荷物と大物家具の搬出・運搬・搬入までを行います。

「おまかせ」では業者により差はありますが、もっとも行き届いたものでは、新居の清掃・一部の危険物を除き全ての大物家具や小物の梱包・搬出・旧居の清掃・運搬・新居への搬入・荷解き・配置・不要品の引き取りまで殆どの事をやってくれます。

もちろん費用はそれなりにかかります。

筆者も一度Y運輸のおまかせパックを頼んだことがありますが非常に楽でした。

とにかくよってたかって人海戦術で片づけてしまいます。玄関やげた箱の靴から履いていく物を聞くと目印をつけて梱包から除く目印にしてくれます。

台所は女性の係員が寄ってたかって荷造りをする。最後に掃除をしようと出しておいたバケツや掃除機までいつのまにか梱包されてしまう始末でした。

我々自身も家の中にいても作業の邪魔になるばかりだし、かといって外でぼけっとしているわけにもゆかない、どうにも中途半端な存在でした。自分の家の引っ越しですが、我々の存在が邪魔になるという。

おまかせ便でも自分でやるべきこと

このようにとにかく楽ですさわられては嫌な物……たとえば衣類や下着など……は自分で梱包すべきです。

また、自分で荷造りするとわかりますが、荷造りは想像以上に手が汚れます

自分でやるときは適当に手を洗いながらやればよいのですが、効率を第一にする彼らがそこまで丁寧なことをやるわけもなく、新居で配置の終わった書棚のなかの本をさわると、梱包前より汚れているのは珍しくなくて、結局全部出して汚れを拭き取ることになりました。

気にしない人には、なんということはないのでしょうが、埃ではなくて汚れなのでそれなりに気になります。

よく言われることですが、おまかせパックはゴミやほこりまで梱包して持って行きます

実際、捨てようとおもって部屋の角に積んでおいた雑誌も梱包し新居へと運ばれてしまいました。

おまかせパックは楽に違いないが、全てが終わったあとで、結構手間のかかる再清掃をしなくてはならないという側面があることを、知っておく必要があります。

たかがそんなことと思うなかれ、想像以上に激しく汚れてしまいます。

まぁそれでも自分で全てをやるよりは、はるかに楽であることにはかわりないですが….。

自力で荷造り

さて、自分で荷造りする場合はというと、やはりコツはいくつかあります。

食器類

食器類はよく新聞紙などをつかって梱包する人が多いが、これはあとで洗う手間がかかるだけです。

段ボール箱の底と回りにエアキャップを二、三重にあてて、清潔で大きな袋(新品の大きなゴミ袋がよい)を中に広げて食器はペーパータオルでくるみましょう。

開梱の際にはそのペーパータオルは捨てずに、袋にとっておき徐々に使えばよいのです。

冷蔵庫

引っ越しの時は冷蔵庫の買い替えチャンスです。もう長年使ったものなのなら、いいチャンスですので買い換えましょう。食材がいっぱい入っているときの買い換えはとても大変です。

買い換えないなら、冷蔵庫は前日には総て空にて、製氷皿や冷凍室、蒸発皿ににたまった水をきれいにしておく必要があります。

当然いきなり空にすることはできませんから、一週間以上前から冷蔵庫の中身の在庫処分を始める必要があります。

どうしてもあたたまると困りかつ処分できないものは、たっぷりの保冷材をアイスボックスにつめて、そこに保存すれば一日程度なら十分である。

保冷材が暖まってきたらコンビニにうっているロックアイスをそのまま袋ごとビニル袋にいれてから保冷材代わりにしうることをお勧めします。

PCやオーディオ・ビジュアル

PCやオーディオ・ビジュアルなど配線が複雑なものは、あとで自分でもわからなくなることが多いので、あらかじめ配線図を書いておくと良いしょう。

面倒に思うかもしれませんが、最初の手間が後をとても楽にしてくれます。

接続を覚えているようで、実は結構いいかげんで覚えていないのです。

さもなければケーブルの両端に、どこにつなげばよいかのタグをつけておきましょう。

タンスの中身

タンスの引き出しの中身なども、食器同様に大きな袋を箱に敷き、引き出し一段につき段ボールを一箱、あるいは最低でも袋を一つ割り当てましょう。

入れ方もできるだけ引き出しの中身の原型をとどめる状態でいれることです。こうすることで戻すのも非常に楽になります。

梱包前に写真を撮る

梱包などをはじめるまえに、食器棚や食品棚、本棚など決まったものを決まった風にしまう家具の中は、あらかじめスマホで写真を撮っておくと良いです。

たかが本棚とあなどってはいけません。

全部ばらばらに出してしまい、その数時間後あるいは翌日などに元通りにするとなると、元の状況などは結構覚えていないのです。

あらかじめ各棚の状況が写真でわかれば、そのあとの復活作業が格段に楽になり時間も手間も省けます。奥様でなくても食器棚の復旧ができるし書棚もしかりです。

たつ鳥跡を濁さず

総ての搬出が終わった後で、掃除をすることを忘れてはいけません。

たつ鳥跡を濁さず。

そして搬出による内装や設備、建物への傷がないことを必ず確認することが重要です。

万一搬出傷を発見したらスマホで写真に撮り直ちに業者の責任者(まちがってもバイトなどと話てはいけない)と話をつけることです。

このとき家主がいれば、家主もまぜて話をつけましょう。

かならず業者に弁償させることを書面による確約をとること。

口頭では言った言わないで逃げる悪質な業者も存在します。後で弁償しますから….なんて信じちゃいけない。

最後に、家主や管理人あるいは近隣の世話になった方々には忘れずに挨拶をしましょう。

これが旧居での最後の仕事です。

出発前には水道元栓、ガス元栓、電気のブレーカーを落とすのを忘れずに。

次回は「旧居と新居の点検」となります。

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