先日、当ブログでAppleに続いてGARMINもスマートウォッチでSuica対応を5月末から実施予定であると発表してることを書きました。今回はその対象機種であるGARMIN vivomove Styleを入手しましたので簡単レビューします。
GARMINのウェアラブル・デバイス
簡単な歴史
GARMINは1989年に米国で設立され現在はスイスに本社を置くGPS機器のトップメーカーです。
スマートウォッチなどのウェアラブル市場には2003年に「Forerunner 201」を引っさげて参入しました。当時のウェアラブルは同社の中でもGPS機器に比べると比較にならないほどの事業規模でした。しかしiPhoneの搭乗とともにiPhoneのマップとGPS機能が急速に普及したため、同社のGPS事業は急激に縮小を余儀なくされました。
時を同じくして使用するチップ(半導体)の価格が下がりFitbitなどもウェアラブルに参入し、ウェアラブル市場は急速に注目を浴びるようになりました。
ガーミンのウェアラブル・デバイスの特徴
ガーミンのウェアラブル・デバイスの特徴として、いろいろなスポーツに特化したモデルがあるということです。
厳密に分かれているわけではなく一つのモデルで複数機能を持っていますが、主にはこんな風にわかれます。なかでもメジャーなのは、ライフログ、マルチスポーツ、ランニング、ゴルフでしょう。
ライフログ:vivofit、vivomove、vivoactive、Venu、vivosmart、Legacyの各シリーズ
マルチスポーツ:Instinct、fenix、ForeAthlete
ランニング:fenix、ForeAthleteの各シリーズ
ゴルフ:Approachシリーズ
ダイビング:Descentシリーズ
スイミング;Garmin Swim
スマートウォッチというとスマートフォンとの連携を重視している傾向が目立ちますが、Garminの場合はスポーツ(アクティビティ)のトラッキングがメインであり、結果としてスマートフォンとの連携となっています。
Garminのウェアラブル・デバイスはスマートフォンの子分のような存在ではなく、互いを補い合うパートナーのような存在だと言えます。
Appleに次いでSuica対応ウェアラブル・デバイス
これが先日記事にしたことです。
その中で注目したのがアナログ+デジタルのハイブリッドモデルです。
ハイブリッドモデル
ハイブリッドタイプには、
・vívomove HR (2017年12月発売)
・vívomove 3/3S (2019年10月発売)
・vivomove Luxe (2019年10月発売)
・vivomove Style (2019年10月発売)
の4モデルです。
HR以外の3/3SとLuxe/Styleは5月下旬以降にGARMIN Pay Suicaに対応する予定となっています。
3/3Sは通常のGARMIN Payは非対応ですがGARMIN Pay Suicaには対応するというよくわからない状態です。
常時表示は時計として当然
これまでのウェアラブル・デバイス使用経験から、最も原始的に時計として使うときに常時表示がないと困ることが多いということです。
Apple Watchは5になって常時表示になりましたが1日(24時間)バッテリーが持ちません。一日も電池が持たない時計は時計とは言えません。Apple Wearble Deviceとでも名付けてほしかったところ。
デジタルオンリーだと、常時表示するためには消費電力の少ないモノクロ液晶にするか、カラーでも待機時は薄暗い表示にするしかありません。
アナログ+デジタルのハイブリッドなら、待機時は普通にアナログ時計だけなのでチラ見すれば時刻がわかるわけで、普通に時計として全く問題ないのです。
vivomove 3/3SかStyle/Luxeか?
vivomoveHRは古いので論外として、同じ時期に発売されたvivomove 3/3Sとvivomove Style/Luxeが狙うターゲットとなります。
ガラス素材はそれぞれ異なり、3/3Sは化学強化ガラス、StyleはCorning Gorilla ガラス 3、Luxeはサファイアガラスです。
ベゼルも同様に異なり、3/3Sはステンレススチール、Styleは陽極酸化アルミニウム、Luxeはステンレススチールです。
ディスプレイ解像度はかなり異なり、3/3SはOLEDの64×132ピクセル、Style/LuxeはAMOLEDの240×240ピクセルです。
見た目は3/3Sはやはりちゃちい感じは否めません。
さらに注目すべきは本体重量です。
vivomove Style(ナイロンバンドモデル)はたったの35gで手にとっても驚くほど軽い。
ちなみにApple Watch 5のアルミケースだと44mmの本体は36.5g、それにスポーツループが約9gなのでおよそ45gというところでしょうか。
vivomove Styleを手に取ると異様に軽く感じます。
LuxeとStyleの違いはガラスやベゼル、バンドの素材であり本体機能は同じです。
Luxeはちょっと贅沢な感じがするのでStyleで決まりです。
GARMIN vivomove Style
写真で紹介
まずは恒例の写真レポートです。
vivomove Style本体にはボタンなどは一切ありません。
唯一ガラス面がタッチパネルになっているだけ。トントンとタップして起動させるとオープニングのHello!。
バンドはApple Watchのスポーツループに似ています。
このタイプはこれから暑くなると樹脂ベルトは汗で蒸れて痒くなったりします(特に私はアトピー持ちなので)が、このタイプは通気性が良いです。
拡大してみました(写真はHUAWEI Mate 20 Proで撮影)
セットアップが終わった本体。
表示は上段と下段にわかれておりそれぞれコンプリケーションとして表示できるものを選択できます。
個人的には時刻のデジタル表示もほしいので、上段は時刻に、下段はカレンダーにしました。
このデジタル表示がなければ(一定時間で消えます)ただのアナログ時計にしか見えません。
vivomove Styleはデジタル表示が消えている状態では、単純なアナログ時計にしか見えないのでシチュエーションを選ばず使える。この点、ごつい頑丈なINSTINCTとは全くことなります。
GARMIN Payを入れてみる
Suica対応は今月下旬以降なので、まずは普通のGARMIN Payをセットしてみます。
GARMIN PayはVISAタッチ決済を使ったもので以下の金融機関のデビットカードが対応します。
ジャパンネット銀行/ The Japan Net Bank: VISA
ソニー銀行/ Sony Bank: VISA
三菱UFJ銀行 / MUFG Bank: VISA
筆者は一番目のジャパンネット銀行を持っていますので、そのプリペイド情報を登録してアクティブ化したのが上の写真です。
これで店舗のリーダーにタッチすればOKです。
もう一つ、ソニー銀行の口座ですが「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」を持っているので、実は最初はこちらを試したのですが非対応ということで途中で蹴られました。
ジャパンネット銀行はPayPay利用者は持っていると便利なのでオススメです。
呼吸数も取れる睡眠分析
筆者的に気になる睡眠分析。
スマートフォンのGARMIN CONNECT MOBILEアプリで見るとこういう感じで、別段変わったところはありません。
しかし、WebサイトのGARMIN CONNECTで見ると様子が違います。
下側にある「呼吸」をタップすると睡眠中の呼吸数推移が出てきます。
幸か不幸か、呼吸数と睡眠時の動き(正確には手の動き)には相関関係はなさそうです。
それにしても、呼吸センサーとか無いのになぜ心拍だけで呼吸数がわかるんですかね?
Garminのデバイスで使用されているFirstbeatという乳酸閾値検出方法は、呼吸数(呼吸がどの程度困難か)は心拍変動の分析により検出可能である、という事実を活用しています。息を吸って吐くプロセスにより、心拍(HRV)の間隔にわずかな変動が生じます。
GARMINホームページより
ほう、へぇ、そうなんですか、としか言えません。
心拍変動の分析をすることで呼吸数を検出できるとは知りませんでした。
ちなみにこの分析はハードウェアにその機能がないとだめないようで、手持ちのINSTINCTやvivosmart 4ではWebのGARMIN CONNECTでも呼吸ボタンは出てきませんでした。
まとめ
GARMIN vivomove StyleはGARMIN Pay(VISAタッチ決済)とGARMIN Pay Suicaの両対応。
アナログ+デジタルのハイブリッドは常時表示有無など気にしなくて良く本来の時計として有るべき姿。
GARMIN vivomove Styleナイロンバンドのモデルは総重量35gとかなり軽量。
デジタル表示が消えていると普通のシンプルなアナログ時計に見えるのでオン・オフのシチュエーションを選ばない。
GARMIN vivomove Styleは、睡眠中の心拍や睡眠状態のみならず呼吸数も記録される。