iPad mini 6のバッテリー駆動時間がiPhone 13 Pro Maxより短い理由を簡易実験で調べてみた

iPad mini 6のバッテリー駆動時間がiPhone 13 Pro Maxより短い理由を簡易実験で調べてみた

先日から嬉々として使い始めたiPad mini 6。結論から言えば買ってメチャクチャ良かった、iPad Pro 11やiPhone 13 Pro Maxとの共存も予定通り。唯一の難点は想定の範囲内ではありますが、バッテリーの減りがiPhone 13 Pro Maxより結構早いこと。

バッテリー関連スペック上は?

Appleの公式情報およびGSMArenaのテストによれば,

iPad mini 6のバッテリー駆動時間はiPhone 13 miniより短かくiPhone 13 Pro Maxの半分程度ですが、充電時間はiPhone 13 Pro Maxと同程度です。

iPad mini 6iPhone 13 miniiPhone 13 Pro Max
バッテリー容量 (mAhは公称電圧3.7Vで換算)19.3Wh (5,216mAh)9.34 Wh (2,524mAh)16.75 Wh (4,527mAh)
Wi‑Fiでのインターネット利用、ビデオ再生最大10時間ビデオ再生:最大17時間ビデオ再生:最大28時間
携帯電話データネットワークでのインターネット利用最大9時間ビデオ再生(ストリーミング):最大13時間ビデオ再生(ストリーミング):最大25時間
CPUA15 Bionic
6コアCPU
5コアGPU
16コアNeural Engine
A15 Bionic
6コアCPU
4コアGPU
16コアNeural Engine
A15 Bionic
6コアCPU
5コアGPU
16コアNeural Engine
ディスプレイ・Liquid Retinaディスプレイ
・8.3インチ(対角)LEDバックライト
・2,266 x 1,488ピクセル解像度、326ppi
・500ニト
・HDRディスプレイ
・5.4インチ(対角)オールスクリーンOLEDディスプレイ
・2,340 x 1,080ピクセル解像度、476ppi
・最大輝度800ニト(標準)、ピーク輝度1,200ニト(HDR)
・ProMotion搭載Super Retina XDRディスプレイ
・6.7インチ(対角)オールスクリーンOLEDディスプレイ
・2,778 x 1,284ピクセル解像度、458ppi
・最大輝度1,000ニト(標準)、最大輝度1,200ニト(HDR)
Antutu (garumax)844182 (v9.1.3)779933 (v9.1.2)890611 (v9.1)
GeekBench (GSMArena)N/A4681 (v5.1)4706 (v5.1)
Webブラウズ (GSMArena)10:43h13:12h20:10h
動画再生(GSMArena)10:01h13:34h24:12h
0%から30分充電(GSMArena)35% (20W)61% (20W)55% (65W PD)
42% (20W)
フル充電(GSMArena)1:57h (20W)1:24h (20W)1:46h

GSMArenaのバッテリー駆動時間テストは以下のようなものです。
・Webブラウズ:802.11nのWifi接続で10秒毎にWebページをリロードする自動スクリプトを連続実行
・動画再生:標準解像度のH.264ビデオファイルをループ再生し、100%充電からシャットダウンするか10%になるまでの連続再生時間。全ての無線はオフ。

Appleの公式情報では、iPad mini 6でのインターネット利用やビデオ再生は最大10時間に対し,iPhone 13 miniは最大17時間、iPhone 13 Pro Maxは最大28時間とかなり差があります。

GSMArena(https://www.gsmarena.com)のテストでもWebブラウズでiPad mini 6が10時間少々に対し、iPhone 13 miniは13時間、iPhone 13 Pro Maxは20時間となっています。

どちらも傾向は似ていて、インターネット利用ではiPad mini 6のバッテリー駆動時間はiPhone 13 Pro Maxの半分もしくはそれ以下となり、iPhone 13 miniよりも短いということです。

バッテリー容量は19.3WhとiPhone miniの2倍ほどあるため、最初の30分間での充電量はiPhone 13 miniの半分程度ですが、フルチャージまでの時間は極端に長いわけではなく、0%から2時間程度でフルチャージになります。



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駆動時間の差はディスプレイの差?

液晶とOLEDの差?

一般的には違うカテゴリの製品ですから直接比較してもあまり意味がないといえますが、筆者の場合はその時の状況によりますが、カメラ以外は似たような使い方をすることが多いと思われるので比較しました。

CPUはiPad mini 6とiPhone 13 Pro Maxは同じCPUコア数・GPUコア数のA15 Bionicですがクロック数が若干iPad mini 6のほうが低いそうです。

となると、バッテリー駆動時間に影響が大きいのがディスプレイです。iPad mini 6は8.3インチ液晶、iPhone 13 Pro Maxは6.7インチOLEDです。この差が大きいのでしょうか?

もし駆動時間の差がディスプレイによるものであれば、Spotifyなどでディスプレイをオフにした状態でバックグラウンドで音楽を流した時には差が出にくいのではないかと思います。

Spotifyの60分再生で実験

そこで以下の条件で、iPad mini 6とiPhone 13 Pro Maxで実験してみました。

・100%までフル充電
・自宅Wifi接続
・SpotifyでDaily Picksを60分間再生する(音量は最小)。
・スイッチ(iPhoneのサイドボタン、iPadのトップボタン)を押してスリープにしバックグランドで再生。
・60分経過したところでバッテリー残量%を見る。

バッテリー駆動時間の差がディスプレイによるものであれば、スリープ状態のバックグラウンドでの音楽ストリーミング再生ではほぼ同じ程度になるはずです。

バッテリー容量はiPad mini 6が19.3Wh、iPhone 13 Pro Maxが16.75 Whですので極端な差はありません。

60分Spotifyをバックグラウンド再生(画面オフ)したときのバッテリー残量

開始時60分経過後
iPad mini 6100%100%
iPhone 13 Pro Max100%100%

Wifi接続で内部スピーカーを出力として最小音声でSpotfyのDaily Picsを60分流しただけでは、バッテリー残量表示に変化があるほどの消費をなかったということになります。

Netflixの60分再生実験

今度は動画のストリーミング再生(Netflix)をしてみます。

・100%までフル充電。
・自宅Wifi接続。
・BluetoothでSONY WI-1000Xをペアリングし筆者の耳で同じ程度の大きさに聞こえる音量に設定。
・ディスプレイの「ホワイトポイントを下げる」は「オフ」(アクセシビリティ>画面表示とテキストサイズ)。
・ディスプレイの「明るさ自動調節」は「オフ」。
・画面表示のTrue Toneは「オフ」、明るさはゲージの中間。
・Netflixでトップガン(第1作)を再生。
・60分経過したところで停止してバッテリー残量%を見る。

開始時60分経過後
iPad mini 6100%96%
iPhone 13 Pro Max100%100%

予想通りNetflixで映画を60分してみると、その間当然画面は表示されたままですので差が出ました。

従来、2時間ほどの映画を見てもiPhone 13 Pro Maxだとバッテリーは97%程度にしかなっていないのには驚愕しましたが、この調子だとiPad miniでは2時間みると90〜92%程度となりそうです。

約4%で1時間ですから計算上は25時間ほど連続再生できることになり、GSMArenaのテスト結果の約10時間とはずいぶん開きがありますが、iPhone 13 Pro Maxとの開きも歴然たるものがあります。

超簡単実験のまとめ

実験というにもあまりにも手抜きですが、上記の実験からどうもiPad mini 6のバッテリー駆動時間が同じCPU(クロックスはむしろiPhone 13 Pro Maxより少々遅い)なのに短いというのは、ディスプレイの種類とサイズによるものではないかと思われます。

この実験以外でもWebで調べ物をしていると、iPhone 13 Pro Maxでは数%程度消費で住んだようなところを、GSMArenaの実験通り100%から始めたら90%を切るようなことも体感的に多いのは間違いありません。

同じ使い方をする限りはiPad mini 6のほうがiPhone 13 Pro Maxよりバッテリー駆動時間はかなり短いと言えます。

iPad mini 7への期待

iPad mini 7にM1搭載とか全く期待しませんし必要性も感じませんが、ディスプレイは液晶ではなくOLEDにしてほしいところ。それにより多少なりともバッテリー駆動時間が稼げるのではないかと推測します。

液晶は自ら発光しないのでバックライト(iPad mini 6ではLEDバックライト)が必要でそれがどうしてもバッテリーをくってしまうのですが、OLEDは自ら発光するためバックライト不要の分薄くでき、尚且つバッテリー消費も相対的に少ないと言われています。

OLEDを採用したとしてもiPhone 13 Pro Maxよりディスプレイが大きい分不利にはなるでしょうが、改善は期待できるのではないでしょうか。



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