意外に知らない人が多いような気がするのですが、Apple Watch以外のスマートウォッチのSuicaは他のスマートウォッチへ残高引継が出来ません。当たり前のことを書いている記事になってしまいそうですが、大別して3通りのSuicaがあることを理解しておきましょう。
携帯デバイスのSuicaは3通り
元祖おサイフケータイ
元祖モバイルSuica、すなわちAndroidスマートフォンのおサイフケータイのモバイルSuicaです。言うまでもなくAndroidスマートフォン同士での機種変更でも問題なくモバイルSuicaの残高や定期券は移行できます。
昔はできなかったのですが、今はAndroidとiPhoneの間でも相互に移行可能です。
スマートフォンの故障・紛失・盗難の場合に使用停止と再発行も可能です。このあたりは記名式カードSuicaと同じです。
操作については公式サイトに詳細に書かれています。
https://www.jreast.co.jp/mobilesuica/procedure/chg_model.html
Apple Pay Suica
AndroidのモバイルSuicaと双璧を成すのがApple PayのSuicaです。
機能的には元祖モバイルSuicaと差はありません。機種変更についてもiPhoneからiPhoneへ、iPhoneからAndroidへ、AndroidからiPhoneへも現在は問題なく出来るようになっています。
iPhoneの故障や紛失・盗難の際にも使用停止と再発行ができるのもおサイフケータイSuicaと変わりません。
基本的にはAndroidのおサイフケータイSuicaとApple Pay Suicaは同じようなものでプラットフォームが違うだけと思ってもいいでしょう。
スマートウォッチのSuica
問題のスマートウォッチSuicaです。Garminやfitbit、wenaなどがあります。
これらはどれもおサイフケータイSuicaやApple Pay Suicaとは全く異なるものです。もちろんプリペイドとしての機能は普通にありますので、電車やバスに乗ったりお店で支払いにつかったり、自販機で飲み物を買ったりするのはOK。しかし出来ないことも多くあります。
例えばGarmin Pay Suicaで出来ないこと
・銀行チャージ
・再発行(紛失・故障など)
・スマートウォッチの機種変更や修理などによる残高引き継ぎ
・定期券購入
・Suicaグリーン券購入
・ネット決済
・JREポイントによるチャージ
ざっくり言いますとと、無記名カード式Suicaに近い存在だといえます。ただし無記名カード式SuicaでSuicaグリーン券は購入できますが、Garmin Pay SuicaをはじめとするスマートウォッチのSuicaではできません。
再発行ができないという制約は無記名カード式Suicaと同じものです。
注意したいのは、スマートウォッチ同士での機種変更(GarminからGarminなど)やスマートウォッチ修理の歳の残高引き継ぎができないことです。
<参考記事>
Garmin Pay+Suicaは使い勝手が良くないのでやめた!
https://aichanworld.com/wd/2020/11/11/post-15967/
スマートウォッチのSuicaを使う上での注意
理由はどうあれ、一旦スマートウォッチに入れたSuicaは、入れたが最後その固有のスマートウォッチハードウェア以外に移すことは不可能です。それがスマートウォッチ買い替えであれ修理であれ紛失であれ同じです。
修理に出す前や買い換える前には払戻をして(JR東日本の手数料220円が差し引かれます)から削除するしかありません。そして新しいスマートウォッチで新たにSuicaを発行します。あるいはコンビニなどで残高以上の買い物をして不足分を現金支払いするかです。
万一払戻せずに修理に出してしまうと、Suicaは残高ごとバッサリ削除されてしまいますので気をつけてください。
JR東日本のモバイルSuicaのWebページをみても、おサイフケータイSuicaやApple Pay Suicaについての説明はありますが、スマートウォッチSuicaについては説明がありません。予想される状況は何らかのトラブルの際、JR東日本では対応できないからメーカーに聞いてくれといわれ、メーカーサポートに聞くとSuicaのことはJR東日本に聞いてくれという相互たらい回しとなり詰んでしまう可能性が予想できます。
スマートウォッチのSuicaは多額をチャージせず必要最低限の金額をこまめにチャージし、もしものときの被害が大きくならないようにしましょう。