筆者は一昨年12月から約500戸の大規模マンションの自治会役員をやってきました。それまで紙の洪水自治会で、まずは役員の中では少しずつIT化を進めてきました。マンション自治会・町内会にIT導入するにあたっての悩み・課題について触れたいと思います。
自治会と会社組織の違い
会社組織にはミッションがあり、ミッションを遂行するためにメンバーが集められます。
ミッション・ファーストなのが会社組織。
自治会にもミッションはありますが会社の組織ほど強いものではありません。
メンバーは1年あるいは2年で交代し、新メンバーは立候補や輪番あるいは抽選で決まり、IT知識のある人とか経理に詳しい人などを選び出せません。
集まった人ができる範囲でミッションをこなす努力をするのが自治会。
一方で今や生活インフラともいえるスマートフォンは年々普及率は高まり、総務省の調査(2021年)によれば、スマートフォンの世帯普及率は88.6%だそうです。
自治会の業務効率UPのためにスマートフォンを使わない手はありません。
スマートフォンでメールを自在に扱える人は多くない
会社でメールを使うのは当たり前ですが、個人所有のスマートフォンでメールを扱うのは結構ハードルが高いというのがわかって正直驚きました。
筆者としては当たり前にメール(Gmailだけではなく自分が契約しているレンタルメールサーバーやMicrosoft 365 Businessのメールなど)アカウントをスマートフォンに設定して、メール着信通知はスマートウォッチにも届く様にしており、可及的速やかに内容確認し、必要であれば即時に返信するようにしています。
しかし自治会で話を聞いていると以下のようなことがわかりました。
・そもそもメールはほとんど見ない
・メールは読んでも返信や発信をしたことがない、やり方がわからない
・普通の連絡はLINEと音声通話があれば事足りている
考えてみたら妻も同じ様なもので、メールの返信や発信は筆者の助けを借りずに自力では多分やったことがないと思います。新着通知があるとメールは読んでいるようですが…。
情報共有とタイムリーな連絡手段
情報共有もメールの添付ファイルがほとんどで、やたらGmailなどのメールボックスが膨れ上がります。
前述のようにメール連絡なのでなかなか返信がこない人が少なからずいます。
そういう方々でも話を聞くとLINEは使っているようです。
情報共有のために本格的に使用し始めたのがGoogle Driveです。クリティカルなデータは置けませんが、配布チラシ(自治会からのニュースなど)やイベント準備のための情報などは入れるようにして、ずいぶんメール添付が減りました。
残された課題がメール以外のタイムリーな連絡手段。
これには過日記事に買いたLINE WORKSフリー版を採用しました。
LINE WORKSについては上記の当ブログ記事に記載しておりますのでお読みいただければ幸いです。
課題は管理者の継続的確保
Google DriveとLINE WORKSだけがIT化ではありませんが、これらを継続運用するにあたっての課題が冒頭に買いた話になります。
会社ではそういう知識を持っている人を充当することができますし、自部門にいなければ他部門から引っ張ってくることも可能です。しかし自治会はそうはいきません。
現時点において筆者がGoogle DriveやLINE WORKSなどの管理を行うことは全く問題ないのですが、自治会役員人気が切れたときに後任に適切な方が役員にいるとは限りません。
本来ならば住民向けのホームページなども立ち上げたいところです。
筆者がそれを行うのは容易いのですが、後継者が確保できる保証はまったくないので、踏み出せずにいます。
IT化に必要なのはサステナビリティ(持続可能性)であるが、自治会でそれを確保するのは非常に困難である。
本来なら、毎月発行し配布している自治会紙のバックナンバー、各種規約、イベント情報などをホームページで住民がいつでも見られるようにしたいのですが、継続できないことに手をつけることはできません。
町内会でホームページを立ち上げている地域がありどうしているのかと思うと、役員任期にとらわれない、ホームページ委員会のようなものを規定を作り立ち上げて、複数名で運営しており、毎年の役員の中でITに詳しそうな人に声かけをしていると聞きました。
なるほど、ですが制度化するにはマンション住民の合意をえて規則を作成するなども必要で少々ハードルが高いです。
亀足でなかなか進みませんが、でもなんとかIT的に便利にしていきたいとは思っています。