(本記事は前日分からの続編となります)
海外旅行のときに、支払いや現金はどうしていますか?クレジットカードや両替ですか?この記事では海外旅行(当然JGC修行やSFC修行も入ります)のときの支払い方法について、そのメリットやディメリット、安全性について掘り下げて考えます。長い記事となりますので複数回に分割しての連載です。第2回目はデビットカードについての続編記事となります。
デビットカードについて(前日からの続き)
暗証番号入力による取引は補償されない
クレジットカードにも共通しますが、実はもっと大切な「無条件に補償されない」場合があります。例えば三井住友デビットカードの会員規約を見ると明確にかかれているので該当部分を引用します。
三井住友デビットカード(SMBCデビット)会員規約より引用
第9条(暗証番号)
1.(省略)
2. 会員は、暗証番号を他人に知られないよう、善良なる管理者の注意をもって管理するもの とします。本デビット利用にあたり、登録された暗証番号が使用されたときは、当社に責のある場合を除き、会員は、そのために生ずる一切の債務について支払いの責を負うものとします。
….第13条(会員保障制度)
(途中省略)
3. 前2項の規定に関わらず、次の場合は、当社はてん補の責を負いません。
(6) ショッピングおよび海外ATM出金のうち暗証番号の入力を伴う取引についての損害ならびにSMBCデビット会員用Webサービス利用特約に定めるVisa Secureを利用したショッピングに関して生じた損害(但し、当社に登録されている暗証番号の管理について、会員に故意または過失がないと当社が認めた場合はこの限りではありません。)
クレジットカードもデビットカードも暗証番号入力により行われた取引についての損害は補償されない。
これについては、知らない人が意外に多いですが昨今は暗証番号入力による取引が多いので注意しなければなりません。
特に店員や後ろに並んだ客による盗み見が多いので、暗証番号入力時は入力端末を手や本などで隠して入力するくらいの用心は必須です。
ビックカメラでは暗唱番号入力時は店員が盗み見ることがないように、その時だけ客に背中を向けるという教育がされているようで良い意味で驚きました。
こういったこともありますので、デビットカードの限度額は使用するときだけスマホで必要な金額にあげて、終わったらゼロにするのが安全なのです。
どうでしょうか?
クレジットカードやデビットカードの暗証番号について、キャッシュカードの暗証番号より軽く考えていませんか?
銀行キャッシュカードの暗証番号が大切なのは誰でもわかるはず(それでも特殊詐欺やフィッシングなどでやられる人が後を絶たない)ですが、特にクレジットカードの暗証番号はデビットカードと違い残高ゼロ円でも限度額いっぱいまで使えてしまいますので十分注意してください。
海外の対面店で使う
お待たせしました、ようやくデビットカードを海外で使う話題に突入です。
デビットカードからといって使用するにあたり特別なことはありません。原則としてクレジットカードと同じように支払いに使えます。海外旅行ではありませんが、月々の定期払いなどには使えないことが多いです。
国内でも海外でもクレジットカードと同じ要領で使えます。そのデビットカードが使えるかどうかは、例えばVISA系デビットならカード面にVISAマークがありますから、VISAマークのあるお店で使用できます。
クレジットカードでは通常限度額設定はカード会社が決めますが、デビットカードではそれ以外に自分で限度額をWEBあるいは専用アプリから設定可能です。
デビットカードを安全に管理するコツはいくつかあります。
・デビットカード機能を使うのは多額の取引が可能なメインバンクは避け、できればデビット専用の銀行口座を作る
・普段は限度額をゼロにしておく → 万一の時もデビット機能は使えない
・ゼロが不便な場合は最低限の額(1万円とか2万円程度)に設定しておく
現地ATMで現金を引き出す
昔と違ってデビットカードやクレジットカードのキャッシング(借金)で海外のATMを使ったことがある人も増えてきたかもしれませんね。
もう使い方なんかわかっているという人は本節は飛ばしてください。
使えるATMを予め確認しておく
それでは海外のATMで使ってみましょう。ATMならどれでも使えるわけではありません。例えばVISAデビットならば、「VISA」あるいは「PLUS」マークがついたものであればOKです。
どのATMが使えるてどこにあるかはお持ちの国際デビットカードの発行元会社のWebを参照して調べてください。
ATMの操作
この画はキャッシュカード・デビットカード一体型のカードの絵(一例)です。一体型カードの場合は機械に通す向きによって機能がかわります。
普通は下側に右に向かった矢印があり「キャッシュカードのご利用」とか書かれていると思います。すなわち国内で銀行やコンビのATMで預金を引き出す場合はこちら向きにカードを挿入します。
海外のATMでお金を引き出したりデビットカードとしてお買い物をして自分でカードを挿入する場合は、「海外ATM/デビットカードのご利用」(あるいは類似の表現)と書かれている矢印方向に挿入します。
VISAのサイトにわかりやすく解説がありますのでご一読をおすすめします。
日本と同方式(カードを刺せば吸い込まれて取引が終了すれば出てくる)だとカード挿入からです。向きに気をつけてください。あとは画面と格闘です。(大げさな….)
ATMの操作についてはVISAのサイトに詳細な説明があります。
この部分はカードブランドに関わらず海外ATMの操作となり同じですので参考になります。
手数料について
操作はこれでいいとして、海外のATMで引き出して使うとそれなりの手数料がかかります。
デビットカードのブランドの会社(例えばVISA)が定める為替レートに、発行金融機関が定める海外事務手数料を上乗せしたレートで円貨換算されて引き落とされます。
SONY Bank WALLET(VISAデビット)の場合は以下に手数料記載があります。
外貨口座の開設有無と外貨口座残高有無で手数料が違います。
外貨口座 | 支払い口座 | 手数料 |
開設済み・残高あり | 外貨普通預金口座 |
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開設済み・残高なし | 円普通預金口座から外貨の不足分を充当 |
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未開設 | 円普通預金口座 |
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最初の例ですと、100USD引き出せば手数料は1.79USDとなります。
以下、外貨口座に関する条件が悪くなるに従って一回あたりの手数料等がかさみます。
クレジットカードで支払う・キャッシングする場合のレートは使用した時とズレがありますが、SONY Bank WALLET デビットカードであれば、レートの良いときに事前に外貨口座に入れておく手があります。
クレジットカードのキャッシングを勧める人もいますが、帰国後即返済しないと金利が嵩んで高いものについてしまいます。それを防ぐ意味でも、また安全性の点からも取引制限額をこまめに設定することでデビットカードのほうが有利だと思います。
リスク・利便性・手数料など全てを考えるべきであり、手数料だけを考えると痛い目にあうかもしれません。
まとめ
海外旅行中の支払い手段は現金以外では、デビットカード、クレジットカード、プリペイドカードの3種類が一般的である。
VISAブランドなど国際ブランドのついたデビットカードは、クレジットカードとほぼ同じように使える。
デビットカードでもクレジットカード同様に利用者保護があるが、PIN(暗証番号)を使った取引・ATM利用は保護(補償)の対象外となり無条件にカード名義人が支払う義務があるので、暗証番号は機能・カード毎にことなったものを設定するなどの慎重さが求められる。
デビットカードは現地ATMでも現金を引き出せる機能を持っているものがある。たとえばSONY Bank WALLETでは、事前にレートの良いときに目的の外貨口座に円口座から振替ておくことでレートを確定できる。クレジットカードだとレートがいくらかは買い物時には確定しない。