まだまだ先が見えないコロナ禍ですが、昨年夏頃とは相当事情も変わってきていますので、感染対策を十二分にしながらもSFC修行を考える方も多かろうと思います。そこで2022年に向けたSFC修行計画に試算してみました。
ANAプレミアムメンバーへの道
ANAマイレージクラブ・プレミアムメンバー、いわゆるANA上級会員資格を取ることを目的にANAに登場しまくることを俗に「修行」と言います。
3ランクあるステータスの中で、目指すべきは「Platium(プラチナ)」ステータスを2022年の修行で取得するための費用等の試算をしてみます。
この記事のタイトルで触れているSFCとはスーパーフライヤーズカードといいます。
スーパーフライヤーズカードは「ダイヤモンドサービス」メンバー、または「プラチナサービス」メンバーのお客様が
お申し込みいただけるクレジットカード機能付・年会費有料のカードです。
出典:スーパーフライヤーズカード | プレミアムメンバーサービス | ANAマイレージクラブ
SFCとプラチナの差
スーパーフライヤーズカードで得られる特典は、プラチナメンバーで得られる特典とほぼ同じと思ってよく、さらにスーパーフライヤーズカードはそのカードを解約しない限りこの特典が続きます。
プラチナ | SFC | |
有効期限 | カードを所有する限り終身有効 | 1年間(年度内) |
スターアライアンスのレベル | GOLD | |
専用デスク | プレミアムメンバー専用サービスデスク | |
ラウンジ | ANA LOUNGE ANA ARRIVAL LOUNGE(成田空港) セントレア エアライン ラウンジ(中部空港) 共用ラウンジ「ラウンジ大淀」(宮崎空港) | |
アップグレードポイント利用 | ○ | |
国内線の先行予約 | ○ | |
国内線座席指定の優先 | 搭乗日2日前の0:00に、指定できる座席が追加される | |
国際線事前座席指定料金の免除 | X | ○ |
予約時の空席待ちの優先 | ○ | |
国際線特典航空券・アップグレード特典の優先 | ○ | |
優先チェックインカウンター | ANA PREMIUM CHECK-IN | |
手荷物受け取りの優先 | ○ | |
手荷物許容量の優待 | 国内線:+20kg 国際線:+1個 | |
専用保安検査場(国内線) | ANA PREMIUM CHECK-IN 専用保安検査場(那覇空港) | |
専用保安検査場(国際線) | STAR ALLIANCE GOLD TRAC(成田空港) プライオリティレーン(成田空港、羽田空港) ファストレーン(関西空港) | |
優先搭乗 | ○(Group 2) | |
空港での空席待ちの優先 | ○ | |
アップグレードポイント付与 | △ (一律4ポイント/年は無し) | ○ |
マイルからANA SKY コインへ交換 | ○ (10,000マイル以上は交換率が プラチナより0.1倍低い) | ○ |
フライトボーナスマイル | 35~50% (カードの種類による) | 90~105% (SFC有無とステイタス継続による) |
ANAゴールドカード /ANAカード プレミアム特別ボーナスマイル | X | +2,000マイル |
オリジナルネームタグ | ○ | X |
ダイアリー・カレンダー・手帳 | SFC会員限定手帳 または 卓上カレンダー | 卓上カレンダー + A5版ダイヤリー |
赤字がSFCとプラチナで異なる部分ですが、すべて飛行機を利用すること以外のサービスに関わる差であり、飛行機を利用することにおいては事実上ほとんど差がありません。
プラチナの条件
JALと異なり非常にシンプルです。
暦年でプレミアムポイント50,000以上(うちANAグループ運航便25,000以上)
プレミアムポイントはマイルとは似て非なるものです。
JALの場合は、上記同様の条件もしくは暦年で50回以上のマイル積算対象運賃での搭乗のどちらかを暦年に達成することというのがありますので、海外に行かずとも近場で安い路線をガンガン往復すればまあなんとかなります。
しかし、ANAには搭乗回数の条件がないのでよく考える必要があります。
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プレミアムポイントの計算
簡単なようでややこしい。
[区間基本マイレージ] x [予約クラス・運賃種別ごとの積算率] x [路線倍率] + [搭乗ポイント]
計算ツールがこちらにあります。
区間基本マイレージ
これは問題ないかと思います。
予約クラス・運賃種別ごとの積算率と搭乗ポイント
2022年に国際線で稼げるのは絶望的だと思われるので国内線のみ掲載します。
積算率 | 主な対象運賃 | 搭乗ポイント |
150% | プレミアム運賃 | 400 |
125% | ANA VALUE PREMIUM 3、ANA SUPER VALUE PREMIUM 28、プレミアム株主優待割引運賃 | 400 |
100% | ANA FLEX | 400 |
75% | ANA VALUE 1、ANA VALUE 3、ANA VALUE 7、株主優待割引運賃 | 200 |
75% | ANA VALUE TRANSIT、ANA VALUE TRANSIT 7、ANA VALUE TRANSIT 28 | 200 |
75% | ANA SUPER VALUE 21、ANA SUPER VALUE 28、ANA SUPER VALUE 45、ANA SUPER VALUE 55、ANA SUPER VALUE 75、ANA SUPERVALUE EARLY | 0 |
50% | 個人包括旅行割引運賃、ANA SUPER VALUE SALE | 0 |
青文字は比較的一般的に利用が多そうな料金となります。
全情報はこちらを御覧ください。
プレミアムポイントの試算
よく使われるのは羽田-那覇のプレミアムクラスあるいは普通席です。
料金は一例として2022年1月22日のANA993便を想定しました。
PP単価というのは「運賃÷プレミアムポイント」であり、1プレミアムポイント(PP)を稼ぐのにいくらかかるかという値で重要な指標です。
従来であれば目安のPP単価は10円程度です。
区間(片道) | 運賃クラス | 片道分のプレミアムポイント | 運賃 | PP単価 |
羽田-那覇 | プレミアム運賃(正規運賃) | 3,352 | 61,310円 | 18.291円 |
羽田-那覇 | ANA VALUE PREMIUM 3 ANA SUPER VALUE PREMIUM 28 プレミアム株主優待 | 2,860 | 54,110円 | 18.92円 |
羽田-那覇 | ANA FLEX(正規運賃) | 2,368 | 46,710円 | 19.726円 |
羽田-那覇 | ANA VALUE 1 ANA VALUE 3 ANA VALUE 7 株主優待割引 | 1,876 | 36,710円 | 19.568円 |
羽田-那覇 | ANA SUPER VALUE 21 ANA SUPER VALUE 28 ANA SUPER VALUE 45 ANA SUPER VALUE 55 ANA SUPER VALUE 75 ANA SUPERVALUE EARLY | 1,476 | 16,510円 | 11,181円 |
以前であれば、OKA-SINといいまして、
羽田→那覇
那覇→羽田→シンガポール→羽田→那覇
那覇→羽田
というのが定番コースで筆者も2019年で利用して4日間シンガポール観光をしてきました。
SFC修行では0泊2日とかいった弾丸修行が話題になりますが、個人的にはこれには非常に疑問を呈します。宿代はかかりますが、せっかくですからシンガポール観光をしておいしいものを食べたほうが絶対楽しいし体も楽でしょ?
こういう海外コースをうまく時期を選んで組み合わせるとPP単価は10円を切って一桁になりますので、プラチナ取得費用は宿代や国内移動費・飲食代を除いて50万円ほどになります。
しかし海外に行けない今は違います。
その年の状況によりボーナスポイントがもらえる場合もありますが、これは無しとして考えましょう(あればラッキー)。
そうなるとプラチナ達成に必要な50,000ポイントを貯めるにはいくらかかるか?
区間は羽田-那覇で運賃は上記と同じ2021年1月15日土曜日のANA993便を使って試算します。
運賃クラス | 片道分のプレミアムポイント | 運賃 | 搭乗回数 | 想定合計運賃費用(往復k) |
プレミアム運賃(正規運賃) | 3,352 | 61,310円 | 15(8往復) | 980,960円 |
ANA VALUE PREMIUM 3 ANA SUPER VALUE PREMIUM 28 プレミアム株主優待 | 2,860 | 54,110円 | 18(9往復) | 973、980円 |
ANA FLEX(正規運賃) | 2,368 | 46,710円 | 22(11往復) | 1,027,620円 |
ANA VALUE 1 ANA VALUE 3 ANA VALUE 7 株主優待割引 | 1,876 | 36,710円 | 27回(14往復) | 1、027、880円 |
ANA SUPER VALUE 21 ANA SUPER VALUE 28 ANA SUPER VALUE 45 ANA SUPER VALUE 55 ANA SUPER VALUE 75 ANA SUPERVALUE EARLY | 1,476 | 16,510円 | 34回(17往復) | 561,340円 |
自分で計算して驚きましたが、国内で一番PPをかせげるのが羽田-那覇なので、それを使うとSUPER VALUEでひたすら回数飛ばない限り100万円もかかるのですね。
2019年の筆者の修行は、シンガポール航空とANAでシンガポール2回、あとはひたすら羽田・沖縄でした。
詳細を以下に掲載しておりますのでぜひご覧になって下さい。
修行といいますが、修行フライトはすべてプレミアムクラスかビジネスクラス利用という大変贅沢な旅行の割には、PP単価は10円ちょっと。OKA-SINを1回とすると、全部で6回の修行旅行でプラチナ達成しています。
しかし、海外を入れないと最短でも8往復で98万円もかかります。
安く取る唯一の方法は、羽田-那覇の17回往復で約55万円です。
一年間12ヶ月ですから2ヶ月に3回は沖縄往復(日帰りは十分可能)することです。
ま、ここまでして取っても、プラチナが生きるのは国際線です。
その国際線に来年あるいは再来年従来のように乗れる保証はどこにもありません。
まとめ
2022のANA SFC修行は世界的なコロナの状況を見ると国内線で飛ぶしかない。
国内線だと2022年(暦年)中に最小8往復で推定98万円、あるいは最安推定56万円で17往復となる。
そこまでしてプラチナをとっても、それが生きる国際線に乗れる見通しは当面たたない。
現状では修行は見送って、海外に普通に行けるようになってからシンガポール線などで稼ぐのが吉。
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